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2022年8月15日 (月)

在日ミャンマー人の間で評判悪い日本の元国会議員は何をしたのか クーデター起こした国軍幹部と深い関係






在日ミャンマー人の間で評判悪い日本の元国会議員は何をしたのか クーデター起こした国軍幹部と…

2022年8月14日 06時00分



 在日ミャンマー人らに極めて評判の悪い日本人がいる。国会議員や大手企業が関わる一般社団法人「日本ミャンマー協会」の会長、渡辺秀央元郵政相(88)だ。クーデター後もミャンマーを訪れ、国軍が任命した“閣僚”らと面会し、国軍擁護の発言を繰り返す。日本はクーデターを非難したはずなのに、面会には内閣審議官が同席。国軍の統治にお墨付きを与えるかのようだ。(特別報道部・北川成史)

◆大物政治家も名を連ねる協会

渡辺会長の言動に抗議し、デモをするミャンマー人ら=東京都千代田区の日本ミャンマー協会前

渡辺会長の言動に抗議し、デモをするミャンマー人ら=東京都千代田区の日本ミャンマー協会前

 「海外でデモをやっている人たちのほうが楽をしている」。6月にあった日本ミャンマー協会の理事会。協会の資料によると、渡辺氏は、母国の家族を案じるミャンマー人らの心情を踏みにじる発言をしていた。
 渡辺氏は2010年まで衆参両院の議員を計8期務めた。協会のウェブサイトなどによると、ミャンマーとの縁は、1986年に中曽根康弘内閣で官房副長官になり、要人の来日に対応したのが始まり。88年のクーデター後の軍政期には国軍管区司令官のテインセイン氏と親交を深めた。
 協会はミャンマーが民政移管した2011年、交流推進の目的で設立された。渡辺氏が会長に就任し、中曽根氏(19年死去)を名誉会長、麻生太郎自民党副総裁を最高顧問に据えた。与野党国会議員、中央省庁の元次官らが役員に名を連ね、「アジア最後のフロンティア」での利得を狙う日本企業が入会した。
 渡辺氏は11〜16年のテインセイン大統領時代、大規模な経済特区を日本が開発する話を取り付け、存在感を示した。
 21年2月のクーデター直後、パイプ役として注目されたが、実像はあまりに国軍寄りだった。渡辺氏はクーデター後もミャンマーを度々訪れ、ミンアウンフライン総司令官ら要人と面会し、関係を誇示した。
 「憲法に基づいた行為でクーデターではない」。渡辺氏は協会の会合で、国軍の立場を代弁し続けている。総選挙で不正があり、アウンサンスーチー国家顧問らが対応しないので、非常事態を宣言し、国軍が三権を掌握したとの言い分に同調している。また、民主派が国軍に対抗して樹立した挙国一致政府(NUG)について「共産党武闘派の一派」との自説も披露したが、基本認識すら怪しい。

◆違憲性もある非常事態宣言

 国軍は21年2月のクーデターで、ウィンミン大統領を拘束。国軍出身の副大統領が大統領代行となり、非常事態を宣言した。だが、北九州市立大の伊野憲治教授(ミャンマー研究)は「憲法では、大統領が欠員になった場合、連邦議会を招集し、後任を選出する必要がある。大統領代行に非常事態宣言の権限はない」と違憲性を強調する。
 伊野氏によると、1988年の民主化運動の際、国軍は共産主義者の暗躍を盛んに喧伝けんでんした。48年の独立後、武装蜂起した共産主義勢力に対する国民の警戒感を利用した形だが、今回、民主派と共産党の関係は取り沙汰されていない。渡辺氏の「共産党武闘派説」について伊野氏は「古い認識の発言では」と疑う。
 ミャンマーとの関係正常化を熱望する渡辺氏の前のめり姿勢の裏で、見逃せないのが同氏周辺の利権だ。
 渡辺氏が代表取締役を務める「日本ミャンマー開発機構」は国軍系企業と合弁会社を設立し、ミャンマー国防省所有地で商業施設を建設する計画があった。
 協会は2016〜19年、ミャンマー人技能実習生を受け入れる監理団体の事前審査を担っていた。監理団体は実習生の人数に応じて協会に審査手数料を支払う。ミャンマー政府からの委託というが、他国にはない独占的な業務だった。

◆内閣官房の審議官も同席して会った相手は

軍隊の日を記念するパレードで行進するミャンマー軍=3月27日、ミャンマー<br>
・ネピドーで(AP)

軍隊の日を記念するパレードで行進するミャンマー軍=3月27日、ミャンマー ・ネピドーで(AP)

 渡辺氏はミャンマー訪問中の5月、国軍が労働相に任命したミィンチャイン氏と面会し、技能実習生の増加に向けた協会の関与などを話し合った。国軍統制下にある国営紙が報じた。
 記事は、内閣官房インド太平洋チームの安藤晴彦内閣審議官が同席していた事実も伝えている。
 経済産業省出身の安藤氏は渡辺氏と旧知の間柄で、今年3回、計約420万円の公費をかけてミャンマーに出張した。その最中、日本政府が認めていない軍政の要人と面会した。同チームは「協会の要請で立ち会った」と受動性を強調するが、クーデターを非難した外相声明や衆参両院の決議に照らし、不適切だ。
 協会は21年度の事業計画で、クーデターを憲法に基づく行為と位置付けた。加入企業は軍政容認派とみなされてもおかしくない。
 悪印象を懸念したのか、会を離れる企業が続出。脱会にはトヨタ自動車、三菱商事、東京海上日動火災保険などの大所おおどころが含まれる。
 20年7月、会員数は正会員130社、賛助会員10社の計140社だった。クーデター後、協会は会員や役員のリストをサイトから削除したが、本年度の事業計画で、会員数は20年の「約半数」としている。
 協会の年会費は正会員が20万円、賛助会員が10万円。本年度の収支計画を見ても、会費収入は20年度と比べて3割減り、約2500万円になっている。

◆まるで日本の代表のように

日本財団前でのデモで、笹川会長と国軍総司令官の会談写真に×印を付け、融和的な姿勢をとらないよう求めるミャンマー人ら=東京都港区

日本財団前でのデモで、笹川会長と国軍総司令官の会談写真に×印を付け、融和的な姿勢をとらないよう求めるミャンマー人ら=東京都港区

 そうした状況で、収入で依存する割合が増しているのが日本財団からの助成金だ。本年度は約1000万円で収入の4分の1以上を占める。助成金は機関誌発行や情報収集活動に使われる。
 渡辺氏は日本財団の笹川陽平会長を「友人として最も信頼、尊敬する」と評価する。ミャンマーでの人道支援にかかわり、総選挙で日本の監視団長も務めた笹川氏だが、クーデター後、国軍を非難せず、在日ミャンマー人らから渡辺氏とほぼ同列視されている。
 また、渡辺氏はクーデターを主導したミンアウンフライン氏から、安倍晋三元首相に対する弔意文や、民主派活動家らの死刑執行を正当化する親書を受け取り、会員に紹介している。
 まるで日本の代表かのような振る舞いだが、メディアを含め外部への説明責任を果たさず、「こちら特報部」が今回、これまでの言動などについても見解を求めたが、応じなかった。
 民政移管後、政官財一体のミャンマー進出体制の象徴が協会だった。旗を振った手前か、クーデター後、協会役員を務める与野党国会議員らは歯切れが悪い。
 渡辺氏の言動への見解などを書面で尋ねたところ、最高顧問の麻生氏、理事の甘利明、加藤勝信、浜田靖一の各自民党衆院議員、立憲民主党の枝野幸男前代表から中身のある回答はなし。
 立民の福山哲郎参院議員は「協会を巡ってさまざまな指摘がある一方、邦人保護などのためのルート確保も必要と考え、クーデター以降、理事会には出席していないが、理事として残っている」とコメントした。

◆目的は権益確保? 市民の死者は2100人超

 「渡辺氏や笹川氏は自分たちの利益や事業を守るため、国軍の意向に沿って動いているようだ。日本政府も国軍とつながりたい本心がある」。ソーバラティンNUG駐日代表は、権益確保を目論もくろむ日本側の思惑を指摘し、負の側面を懸念する。「関係維持を図る渡辺氏らと国軍は面会し、『日本が統治を認めた』とプロパガンダに利用している」
 人権団体によると、クーデター後、市民の死者は2100人を超えた。弾圧が続く中、協会とは別に、11日には自民党の渡辺博道衆院議員がミャンマーでミンアウンフライン氏と面会。投資推進などを話し合い、新たな波紋を広げている。
 ソーバラティン氏は警鐘を鳴らす。「国軍を後押しするような発言や行動はミャンマー人を怒らせ、日本への感情を悪くしていく」

◆デスクメモ

 渡辺氏が「最も信頼する」というのが、安倍晋三氏を別荘でもてなした笹川氏。父の良一氏は右翼の大物とされ、国際勝共連合の初代名誉会長に就いた。この団体を設けたのは文鮮明氏。旧統一教会の創設者だ。何ともいえないこの人脈。ミャンマー人でなくとも、いぶかしさを感じる。(榊)

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