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2021年8月31日 (火)

野党第一党のどこが悪いのか、どうしたらよいのか


野党第一党のどこが悪いのか、どうしたらよいのか

「がんばれ、立憲民主党」 アンケートに示された1009人の声【上】

橘民義 映画制作プロデューサー

 枝野にしてみれば個人保証してまで借金をし、新党を立ち上げたからにはもう一歩も引けないのだが、そんなことより何よりも日本の政治がこれ以上沈没、空洞化、腐敗しないように、政治家として政権をとるしかないと思ったはずだ。「まっとうな政治」を志した立憲民主党には、まっとうな応援団がついてくれたのが強みだった。


拡大結党会見後、「立憲民主党」と書かれたプレートを掲げる枝野幸男氏=2017年10月2日、東京都千代田区

 

このままでは日本が沈没する

 しかし最近はどうだろうか。世論調査による政党支持率は自民党がいつも30%以上。対して、立憲民主党は6%前後だ。菅内閣の支持率が28%に下がっても立憲民主党の支持率は上がらない。「あなたは次の選挙でどこの政党に投票しますか」、という問いに対しても、常時自民党の半分くらいで低迷している。「なぜだ」、「なんとかならないのか」と焦る声も聞こえるが、メディアの扱いもどことなく冷たく、ネット上では叩かれっぱなしだ。「枝野立て」、といった声が、いつの間にか「女性の代表に代われ」とか「小沢一郎の出番だ」など外野席の声は乱暴だ。本当に何故なんだろう。枝野幸男一人が悪いのか。 4年前の秋葉原の枝野演説に涙を流したまっとうな応援団はいま何を考えているのだろうか。

 それが聞きたくなった。もし心が離れているなら、もう一度それを取り戻せるのだろうか。よし思い切って聞いて見よう。そこでカタログハウス代表の斎藤駿、環境工学研究所会長の玉川福和、そして私の3人は「がんばれ立憲民主党の会」を立ち上げてアンケートを作成し、4年前に立憲民主党を支持された方々2181人に送付した。何が悪いのか、どうしたらよいのか。そうしないと本当に日本は沈没してしまう。

 突然このような手紙を送る不躾をお許しください。皆様のお名前とご住所は2017年、2018年、2019年の総務省がホームページに公表した立憲民主党の「政治資金報告書」から拝見させていただきました。

 さて、私たち3人は、立憲民主党をその誕生時(17年)から応援してきた者です。今年は衆議院選挙も有り是非とも立憲民主党には飛躍して欲しいと思っています。しかし現在の立憲民主党には原発政策、政権構想などに歯切れの悪いところを感じて、これが立憲民主党かよと落胆する日もあります。

 迫ってきた「衆議院総選挙」は新型コロナ対策の失敗で国民から見放されそうな自民党政権にとって代わる千載一遇のチャンスだというのに、まだまだ多くの人がその舟に乗ろうと言う気持ちになってないように思われます。私達3人は、今の様子だと無党派層の受け皿にはなれないぞ、政権交代は実現できないぞ、と焦っていますが、皆様は立憲民主党の現状をどのようにお考えでしょうか。
 ついては皆様のその気持ちを掬い取って現執行部に呈示し、立憲民主党が呼応して動き出しやすくなることを願い、そのためのアンケートを下記の要領で実施し、枝野代表を含む執行部に提示することにしました。

 以上、アンケートへのご回答、ご回収にご協力をお願いします。

がんばれ立憲民主党の会
 斎藤駿 (カタログハウス取締役相談役)
 玉川福和 (環境工学研究所会長)
 橘民義 (映画『太陽の蓋』製作プロデューサー)

 これがアンケートのお願いの文章だが、アンケートの宛先となったのは立憲民主党ができた2017年そして18年、19年に政治資金として立憲民主党にカンパをした人たちで、政治資金収支報告書という政党からの報告を総務省がホームページ上で公開している方々だ。

 もちろんこっそり手に入れたものではないが、いくら公開されている方であったとしても、そして立憲民主党を応援していることはわかっていたとしても、その名簿にアンケート送っていいのかという論議はあった。ただその方々も結党当時、立憲民主党に大きな期待を持ってカンパをしたのだがこのところの立憲民主党に不満が有りはしないだろうか、何か言いたいことがあるのだが言う機会がなくてイライラしていないか、そんな予測が立つ中での思い切った実行だった。

1000人を超える返信

 本当にびっくりしたことに昨日は150人、今日は200人という風にどんどん返信が集まってきて、それは最終的には1,009通の回答を得た。たった3人の「がんばれ立憲民主党の会」が企画して、封書で送った政治アンケートは予想をはるかに超え、熱のこもった叱咤激励とともに送り帰された。なかにはカンパの千円札や切手を同封してくださった人もいて、感謝に耐えない。

 アンケートの中身はセクションⅠとして、 「あなたが立憲民主党に対して2021年の総選挙公約で訴えてもらいたい、その強度を「A:ぜひ必要, B:どちらかといえば必要, C:どちらかと言えば必要ない、 D:必要ない」の中から選び❍をおつけください」という政策に対する質問が16問。続いてセクションⅡとして、 立憲民主党の党運営、政治スタンスについて4問。そして最後に立憲民主党に対するご意見の自由記入とした。(※アンケート結果の詳細はここから閲覧できます)

 この内容に関しては私たち3人だけではなくじつは政策の専門家やアンケートの専門家にも入っていただいて、偏らないように、そして誘導尋問にならないようにと慎重に練った。それでもこのアンケートを見た人から、何か結論を導く事を企んでいるようだと批判もいただいた。立憲民主党応援団に出すアンケートなので、だいたい答えが予測出来るようなものはあえて省いた。

原発、消費税、モリカケに鮮明な意思表示求める声

 


拡大赤木ファイル」の存在などについて、財務省の担当者(左手前)から聞き取る立憲民主党の「森友問題再検証チーム」=2021年5月11日、国会内

 

 まずアンケートのセクションⅠから、いくつかの項目を見てみよう。

 「設問8 原子力発電所の再稼働を認めない、新設増設は行わない、と立場を明確にする」

 この問いに対して「A:ぜひ必要」と答えた人が83%で他の消費税、最低賃金、再エネなどと比べてダントツで明快な答えが寄せられた。立憲民主党は結党の時に「原発に依存しない社会を」と党の綱領に謳ってあるが、昨年の国民民主党との合併により、あるいは労働組合の連合からの要求にもより脱原発が明確でないと有権者から心配されている。しかし応援団ははっきりしろと求めている。

 この点はただ原発政策だけではなくて、枝野幸男の発言がブレるようでは基本的な政治姿勢の信頼にも関わることで、 4年間の停滞の大きな原因にもなっていると考えられる。

 「設問3 次期総選挙までの4年間、消費税を5%以下に設定する」

 この問いはあえて乱暴に聞いてみた。 4年経ったらどうするのか、据え置きか元に戻して10%にするのか、あるいはゼロに近づけるのか、そのようなことは質問に含まれていない。財源をどうするのかということもこの段階では聞いていない。だが「A:ぜひ必要」と答えた人は51%で、「B:どちらかといえば必要」を含めても70%で立憲民主党応援団の様子がうかがえる。

 次の問い「設問4 消費税を下げるためにも、次期総選挙までに抜本的な税制改革を取りまとめる」に対しては、「A:ぜひ必要」が57%、「B:どちらかといえば必要」を含めて80%になった。

 この数値の分析は非常に難しいが、すでに突入している高齢化社会の福祉財源として、医療財源として、コロナ対策として消費税は下げても良いが財源だけは確保しなければいけないと言っているようにも聞こえるし、税金の制度は矛盾があり不公平なので訂正して欲しいと言っているようにも思える。

 いわゆるモリカケ問題についても聞いてみた。

 「設問16 行政の不正・不公平の象徴ともいえる、いわゆるモリカケ問題について安倍前首相などの関係者の国会証人喚問に至るように、運動を継続する」

 実はこの問題が1番大きな関心を集めた。「A:ぜひ必要」と答えた人が83%、「B:どちらかといえば必要」を含めて95%の人が選挙公約に入れて欲しいと言っている。そんなことをいつまで言っているんだ、それより大切な問題がいっぱいあるだろう、だから野党は伸びないんだ、という声もたくさんある中でやはりモリカケ問題は放っておくと政治の基盤を失ってしまうという危機感を多くの人が持っている。



党運営には厳しい意見が相次ぐ

 続いてセクションⅡでは、立憲民主党の党運営について聞いた。

 「設問① 立憲民主党は結党時<立憲民主党はあなたです>というスローガンで誕生しましたが、その後現在に至るまで、支援者の声を反映しボトムアップの機関運営がなされていると感じますか」

 この問いには極めて厳しい返答が来た。「そう思う」と答えた人は1%、「あまり思わない」と「全く思わない」で81%。アンケートが1,000通以上も帰ってきた理由はここにもある。党と支持者のコミュニケーションが全く不足しているという気持ちの表れだろう。この数字を枝野代表や福山幹事長に伝えたらどんな顔するだろうか。 一般的に行われていることは、各地域において国会議員や地方自治体議員が有権者と接触を持つのが普通だが、まだ場所によっては議員もいなければ候補者もいないところもある。そうなると党本部からの地域の働きかけが欠かせない。野党第一党で政権を取ろうというのであれば空白地帯が少ないほどよい。現段階での運動不足を隠せない。

 「設問② 今回の東京都議会議員選挙について、立憲民主党は然るべき結果を出せたと思いますか」

 これに対しても「結果を出せたと思わない」と答えた人と、「あまり思わない」を足すと70%になる。これは小池都知事の見事な立ち振る舞いによって眠っていたはずの都民ファーストの会が生き返ってしまい、自民党でもない野党でもないという中間の選択肢ができてしまったという結果であろう。それにしても28人立候補して15人しか当選出来なければ何か失敗したと思うしかない。結果、都民ファーストの会31議席、公明党23議席、共産党19議席、立憲民主党15議席では野党第一党の姿では無い。立憲民主党ができてから初めての都議選挙といえ、党本部は何をぐずぐずしていたのか、 いや東京都連は立てるべき選挙区にきちっと候補者を立てて十分な運動したと胸を張れるのだろうか。共産党と選挙協力したために多くの候補者を立てられなかったという言い訳が成り立つのだろうか。

 政権構想に関しても聞いてみた。

 「設問③ 6月17日、時事通信が伝えたところによれば、連合本部において枝野代表は次期政権を作るにあたって、共産党を排除しての連合政権の形をとると明言したとなっています。あなたは連合政権についてどのような構成を考えますか。連立政権に加わったほうがいいと思う政党全てに○を、おつけください

 A:国民民主党、 B:日本共産党、 C:れいわ新選組、 D:社会民主党」

 この問いは集計が難しかったが、ABCDの4党を全部でという答えの人が25%、国民民主党を除いて全部という答えの人が29%で、足すと半分以上になる。見方を変えて、国民民主党が参加しない形でという集計をすると53%、共産党が参加しないという20%より2倍以上もあった。このアンケートの回答者は国民民主党よりも共産党とのタッグに可能性を見出す人が多いことが分かった。


拡大結党直後、共産党、社民党と野党3党による合同演説会に臨んだ枝野代表=2017年10月8日、東京・JR新橋駅前

枝野代表はこの声をどう聞くのか

 最後になんと言っても一番有意義と思われたのは自由記述の覧だ。アンケートを実施してよかったと思ったのは多くの人の熱い言葉が愛情を持ってがんばれ立憲民主党と言ってくれているのを知ったことだ。もちろん否定的な意見もあるがそれもまた参考になる。以下主なものを紹介する。

 「公認候補者の数は半数を女性にして下さい。これからも人権と多数性のある社会を目指す党でいてください」

 「もう少し発信力をつけて下さい。国会対応や党の姿勢が伝わって来ません。都市型政党であってはなりません。田舎にも地方にも立憲の声が届くよう努力して下さい」

 「党に対してさまざまな声があり、なかにはいまだに『右か左か』パラダイムから抜け出せない支持者も多くリベラル政党としての旗色を鮮明にするようよう求める向きもあるようですが、そもそも対抗する自民党が『保守』ではなく単なる新自由主義の集団である以上、左右対立という幻想上の土俵に乗っかるのはナンセンスです。枝野幸男代表の御高著『枝野ビジョン』に示された路線及び政策に間違いはありません。

 「支持率が伸びない原因は、立民の教師的な姿勢だと思います。立民の主張が自民より正しいことは分かっているが、その正しさが押し付けがましくて気にくわない。調整不足な幹部の発言や連合と共産との板挟みなどのゴタゴタは、こうした不支持層の自己肯定に利用されている。その点、自民は出来の悪い生徒で親近感がある。国民はダメな自分の肯定や共感を求めていて、今の立民はその対極にある気がします」

 いずれも、「日本沈没」を憂う声だ。選挙は目前。このアンケート結果に示された声をどうとらえるのか、枝野幸男代表に直接ぶつけてみた。(続く)

※「『重すぎる記憶』を持った政治家・枝野幸男との対話 「がんばれ、立憲民主党」 アンケートに示された1009人の声【下】」は8月31日公開予定

 

 

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