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2021年7月 2日 (金)

●映画『食の安全を守る人々』(原村政樹 監督・撮影・編集) 我々の命は米国の企業によって決められている

●映画『食の安全を守る人々』(原村政樹 監督・撮影・編集)

我々の命は米国の企業によって決められている

笠原眞弓

 

 戦争直後まで、田畑の作物は発酵下肥と天水で育てていた。それが、戦中に武器として開発された化学薬品の転用で化学肥料や農薬が急速に広まり、そんな風景は絶滅。化学薬品漬けの農業を「慣行農業」と知った時は、天地がひっくり返るほど驚いた。今はさらに、遺伝子を組み換えて食べ物自体を改変する時代だ。しかもさらに、野菜や肉それ自体を化学合成していると言えるほど、研究は進んでいる。

 しかしその人体への危険に気づいて、その流れに抗い続けている人々がいる。この映画には、そんな希少な人たちが次々登場して、私たちに警鐘を鳴らす。

 今や、ヨーロッパやアジアを含む他国の許容量の数倍から400倍の農薬の残留が許される国、日本。その日本で“農”に“政”がないと元農林水産大臣の山田正彦さん(写真下・左)が、異議を唱え続け、国の内外を駆け巡っている。

 米国では、ガン発症はグリホサートを含む除草剤(日本では家庭用にも「ランドアップ」という商品名で、山積み特売品)が原因と、初めて裁判で害を認めさせたドウェン・ジョンソンさんや子どもの健康被害から農薬や遺伝子組み換えの反対運動を進め、成果の出ているゼン・ハニーカットさん等を訪ねる。

 鈴木宣弘(国際環境経済学)さんが指摘するのは「どっち向いての行政?」で、米国がグリホサートの規制を強める(近々使用禁止になるとか)と売れなくなるので、日本の消費を促すために農水が「クリスマスプレゼント」と称して、残留農薬基準を変えることになったこと。なんとそれは、国民へのプレゼントではなく、米国へのそれなのだ。

 「我々の命は米国の企業によって決められている」とは、なんと理不尽なこと。河田昌東(分子生物学)さんは、その証拠を5000ページの英文書から見つけ出す。そして、グリホサートの害についても、科学的に指摘する。

 グリホサートの毒性について、子どもの脳に与える影響を保育の現場から田口操さんが実証し、脳科学者として木村―黒田純子さんやラットで長期間の発がん実験をしたフランスのジル=エリック・セラリーニさんらが暴いていく。

 極め付けは、ゲノム編集で生まれた肉厚真鯛の開発者木下政人さん。彼は、全く安全なのに、なぜ「ゲノム組み換えである」と表示しないのかといぶかしがるが、イグナチオ・チャペラ氏(カルホルニア大学)は、ゲノム編集は新しい技術であると示す。続けて、以前のものより完成度の高い遺伝子組み換えであること、しかも、製造過程で抗生物質耐性物質を組み込んでいるので、そのためにこれを体内に摂り込むと、つまり食べると、抗生物質に耐性を持つ危険性があると警告する。

 でも、救いはある。日本でも各地で始まった有機給食がそれ。先ず韓国を、そして国内も訪ねる。千葉県いすみ市では、数年前から稲葉光圀さんの指導の下、有機米飯給食に取り組み、野菜の有機化にも取り組んでいる。嬉々として稲刈りをする子どもたちのために、私たちはするべきことがあると希望が見えて来る。

 と、ここまで書いて閉じようとしたとき、この映画の完成記念上映会で、なんと山田さんがゲノム種子を有機種子として認証しようと、農水が準備を始めたという。あり得ないことである。

 さあみなさん、こうしてはいられない。この映画を観て、ゲノム編集の危険を知った方たちは、早速にもゲノム認証反対運動を始めなければならない。私たちの後に続く人類のために!(日刊ベリタより加筆転載)

*2021年製作/103分/日本 配給:きろくびと 写真 (C)心土不二
7月2日よりヒューマントラストシネマ有楽町/アップリンク吉祥寺ほか全国順次公開。

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