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2021年5月23日 (日)

日本政府の愚策…コロナ禍なのに、なぜ「消費税」を使ってでも「病床削減」を進めるのか?


日本政府の愚策…コロナ禍なのに、なぜ「消費税」を使ってでも「病床削減」を進めるのか?


政府が推進する「地域医療構想」

新型コロナウイルスの感染拡大が猛威を振るい、医療崩壊が叫ばれるウラで、政府による「病床削減」が着々と進んでいる。

5月21日、参議院本会議で病床を削減した病院への財政支援を盛り込んだ医療制度改革関連法が可決成立した。その上、この財政支援は消費税財源を使おうという計画だ。


photo by iStock

政府は、団塊の世代の全員が75歳以上になる2025年度に、必要なベッド数などを定めた「地域医療構想」を推進している。

これは少子高齢化により、集中的な医療が必要な「急性期」病床が過剰となり、リハビリや在宅医療につなげる「回復期」病床の需要が増加すると予測されるため、過剰な病床を削減しようというもの。

2025年に必要な入院ベッド数は、今より5万床ほど少ない119万床と推計されている。


そこで診療実績が少なく、非効率な医療を実施している病院を洗い出すため、重症患者向けの「高度急性期」、一般的な手術をする「急性期」に対応できる全国1652の公立・公的病院のうち、人口100万人以上の区域に位置する病院などを除いた1455病院の診療状況を分析。

この結果、2019年9月26日に424病院(公立257か所、公的167か所)が「再編統合について特に議論が必要」として病院名を公表した。

そして、新型コロナの感染拡大が猛威を振るっている中にあっても、「地域医療構想」に沿って、着々と病床の削減が進められているのだ。



コロナ禍でも削減の方針は変わらず

実は過疎化・人口減少などにより、病床数は減少の一途を辿っている。

1999年に164万8217床だった病床数は、2010年には159万3354床に減少。その後も減り続け、2019年には152万9215床に減少した。

病床の種類には様々なものがあるが、主に肺に発症する感染症である結核、その患者が入信する「結核病床」はウイルスを外に漏らさない「陰圧室」となっているため、新型コロナ感染患者にも使用できる。

だが残念なことに、結核の入院患者数減少により、結核病床は1999年の2万4773床→2019年には4370床に。また、「感染症病床」は同3321床→1888床に減少している。(表1)



この減少傾向が続いている中で、政府は「地域医療構想」を打ち出した。しかし、その直後に新型コロナの感染拡大という災厄が発生したのだ。それでも、政府は地域医療構想に基づいた病床数の削減を休止あるいは中止することはなかった。

コロナ禍にあっても、病床数は152万6638床(2020年1月)→150万7934床(2021年2月)と、1万8704床も減少している。特に、新型コロナの感染拡大が本格化し始めた2020年4月以降、5月の政府の初めて緊急事態宣言を受けても、病床の減少は続いたのだ。

感染症病床はほとんど変化がないものの、結核病床は2020年1月の4296床から2021年2月には4121床と175床減少しており、政府の「新型コロナ患者の病症確保に全力を尽くしている」というのは“虚偽”であることは明らかだ。(表2)




野党からも批判が相次ぐ

その上、新型コロナの感染拡大が政治の最重要課題となっているにもかかわらず、統廃合や病床削減をおこなう病院には、財政支援策として2020年度には84億円の予算を計上し、後押しをしてきた。

新型コロナの感染拡大により、医療崩壊が叫ばれる中でも、2020年11月26日に厚生労働省は地域医療構想に基づく補助金「病床削減支援給付金」の医政局長通知を各都道府県知事宛てに出し、病院統合・病床削減に“発破”をかけている。

当然、こうした事態に対して野党からは批判が相次いでいる。しかし、政府は2021年1月21日にも、各都道府県知事宛てに「病床機能再編支援補助金の国庫補助について」の事務次通知を出し、“ダメ押し”を行っている。


その上、驚くべきことに、2021年度予算には「自主的な病床削減や病院の統合による病床廃止に取り組む際の財政支援を実施する」ため、2020年度予算の2.3倍に当たる195億円の予算を計上している。

そして、その財源を「消費税」とすることを盛り込んだ医療制度改革関連法が21日、参議院本会議で可決成立した。

そもそも、消費税は1989年に当時の竹下登元首相が、税収の利用目的を「高齢化に向けた安定的な財源確保」として導入された。

1997年に税率を3%から5%に引き上げる際、橋本龍太郎元首相は、「福祉の充実」を理由とした。

消費税が「都合の良い」財源に

菅首相のコロナ対応はすべて後手に回っている…/photo by gettyimages

それが、2014年の税率5%から8%への引き上げ時に安倍晋三前首相により、税収の利用目的は「年金、医療、介護の 3分野」の社会保障の財源から逸脱し、「財政健全化への活用」も可能とし、さらに、8%から10%への税率引き上げの際に、安倍前首相は「少子化対策・子育て」を加えた。

このように、安倍前首相によって消費税は、本来の目的であった社会保障財源を“有耶無耶”にされ、政府の都合のいいように使える財源となってしまった。

そして、この新型コロナウイルスの感染拡大という国家的な危機状況にあって、そのセーフティネットである「病院の統廃合・病床数の削減」にまで、消費税収を利用しようという“愚策”に打って出ているのだ。

ドイツの哲学者フリードリヒ・ヴィルヘルム・ニーチェは、「ツァラトゥストラはかく語りき」の中で、「国家は、善と悪についてあらゆる言葉を使い、嘘をつく。国家が何を語っても、それは嘘だ。」と述べている。



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