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2021年3月 5日 (金)

維新との闘いは続いている~『未来』312号より

焦点 大阪維新追撃・打倒のために ①
民意を蹂躙する広域一元化条例
剛田 力

コロナ禍でも維新の策動は続いている。再び「都構想」が否決されたあとも、吉村は昨年11月6日に「約半数の賛成派の声を尊重することも大事だ」などと言い出し、「広域行政の一元化」条例の制定を目指すことを宣言。吉村、松井は、住民投票で否決された「特別区設置協定書」(「都構想」)の制度設計で府に移管するとしていた成長戦略、病院、港湾、大学、高校、水道、消防など約430におよぶ大阪市の事務を対象に、その権限と財源を大阪府に移管する条例案をつくり、21年2月議会に提出すると表明。さらに「都構想は、否決ではあるが、現在大阪市がやっている430の広域事務は大阪府が一本化してやっていくという整理ができている。それを大阪市を残したうえで具体的に実現する、そのような条例案を都構想の対案として提案したい」と述べた。
いわゆる「都構想」の行政文書である「特別区設置協定書」に明記された「大阪市廃止」の具体的な中身は、吉村が言った、大阪市が政令指定都市として持っている成長戦略、都市計画、港湾、交通基盤整備、公共上下水道、消防、大学、高校、公園、河川にいたる430の事務権限と財源約2000億円を府に移譲することが含まれている。住民投票は、「大阪市の存続」という市民の意思を示しており、その権限と財源を大阪市に留めるという意味以外のなにものでもない。その自治権の大幅な切り離しが市民にとって大きなリスクをともなうからこそ住民投票が義務づけられている。これを議会判断のみに委ねることができるのなら、住民投票を義務づけた大都市設置法はまったく意味をなさない。

大阪市役所前で都構想に反対する市民(20年6月)

(1)「広域一元化」+「総合区」 ≒「都構想」

松井、吉村は同時に総合区も進めるという。しかしその具体的な内容はまったく示されていない。「広域行政一元化」と総合区を口実にした合区を合わせれば、ほぼ「都構想」のようなものになる。 総合区は2014年の地方自治法の改正により、政令指定都市が新たに設置できるようになった。総合区のポイントは、区長を一般職から議会の承認が必要な特別職に格上げし、予算提案権や区職員への人事権を持たせる点だ。市役所の一部署にすぎない今の行政区に権限を移譲し、地域内分権をすすめるのが狙いとされた。区長は「一般市なみ」の権限を持つ。さらに区長を住民投票の結果などを参考に決める「準公選制」も可能だ。
議会が可決すれば政令市に導入できるようになったが、まだ導入した自治体はない。大阪にとっては市を残したまま区の権限を強める制度となり、本来「都構想」や「広域行政一元化」とは相反するものだ。元々は大阪維新の会が都構想案を出した時に、反対だった他の政党に対し、「反対だったら対案を出せ」となり、公明党が総合区制度を対案として提出したもの。2015年の前回の住民投票後、吉村の市長時代、現在の24行政区を8総合区に再編する案を取りまとめ、都構想と並行して協議されたが、公明が「都構想」推進に転じたため、取り下げた。
今回松井、吉村が取り上げたのは、8区に合区するということに主眼点がある。総合区は、合区しなくても1区だけでもできるし、いつでもやめることができる。8区にする必然性などない。府と市が同じ施設を持つのは「二重行政のムダ」だというのだから、合区によって現在24区ごとに置かれている施設(保健センター、図書館など)を統廃合し、行政サービスが低下するおそれも大きい。
維新は、緊急に必要な政策課題から、目をそらさせようとしている。優先するべきは、何よりもコロナ感染症対策ではないか。防災対策も待ったなしだ。「大阪都」で、特別区ごとに設置するとした4カ所の児童相談所は作らないのか。維新が問題にしてきた、「学力不足問題」はどうするのだ。

(2)追い詰められた維新

維新の狙いは、公明党を議論に引きずり込み、屈服させて「広域行政一元化条例」を大阪市議会で可決、成立させることだ。一方、維新が2月議会での決着を目指すと急いでいるのは、看板政策だった「都構想」が否決されたことに伴う党内の動揺を収めたいとの思いがあるからだ。「府市一体で成長を目指すという従来の姿勢を改めて示せる」と、住民投票の「敗北」で求心力を失った議員や、維新信者の市民に対するアドバルーンを上げているのだ。そもそも維新は大阪府知事、大阪市長を握っており、慌てて条例を制定する必要はないはずだ。なぜ、コロナ禍で大変なときに、こんな策動を始めたのか。「大阪都構想」が住民投票で2回連続否決され「改革政党」としてのイメージが大きく揺らいでいる。このままでは今年の総選挙どころではなくなる。そこで、「既成勢力に踏みつけられても改革し続ける維新」を演出する必要から、今回の条例を急ぐのだ。 維新は追い詰められている。2・3月議会で条例が制定されなければ、看板政策を打ち出すたびに市民から否定され、「改革政党」のイメージはますます崩れる。維新に投票している無党派層のかなりの部分が離れかねない。維新にいる多くの議員は「選挙に勝てるから」と維新に集まっている。維新で勝てないとなると、離散するものが出てくる。
2・3月市議会の攻防は今後の大阪のゆくえを決する大きな山場になる。現在示されている条例案(骨子)では、さすがに直ちに430事業の移管、2000億円の移譲はできず、当面7分野の権限の移管とされた。それも地方自治法との関係で、総務省との調整の必要や、公明党をさらに屈服させるなど、ハードルは高い。

(3)奪われる市の「主権」

大阪府・市は1月22日、大阪市がもつ都市計画の7分野の権限を府に移管する方針を正式に決めた。「大阪都構想」の代案として、条例案を2月の府・市議会に提出する。1月25日に、その「広域行政一元化」条例案の骨子が公表された。
案の骨子は大阪府のホームページでのみ公表され、大阪市はパブコメ(意見募集)もしない(大阪市は総合区もパブコメしない)。すでに大阪市の主権は奪われ、乗っ取りは半ば完了している。以下、骨子を検討する。

骨子は8項目

1項目は、条例の名称。「大阪府及び大阪市における一体的な行政運営に関する条例」 2項目は、趣旨。
3項目は、基本理念。ここでは「副首都・大阪を確立」と打ち出している。
4項目は、責務。「大阪府および大阪市は、この条例に定める事項を誠実に履行する責務を有する」
5項目は、副首都推進本部(大阪府市)会議。ここでは「本部長:知事 副本部長:市長」とある。
6項目は、会議で協議すべき事項。ここでは成長戦略、グランドデザイン・大阪、スマートシティー戦略を上げている。 7項目は、大阪府及び大阪市が一体的に取り組む手法。
8項目は、施行日で2021年4月1日。
4項目に、「条例に定める事項を誠実に履行する」とあるのは副首都推進本部会議を「決定機関」にしたかったのだが、そう書くと府市の議決を拘束するものとなり、自治権や議会の議決権を否定することがあからさまになり、違法性が露骨になるので、一般的な当たり前の表現にした。表現は変えても、副首都推進本部会議が事実上の決定機関となる。
しかも5項目で、本部長が知事に固定され、知事と市長は対等ではなく、あくまで知事が上位で、最終責任者となる。既にある、地方自治法が規定する「指定都市都道府県調整会議」は、協議に応じる義務はあるが、知事と市長は対等。「指定都市都道府県調整会議」は、介護施設の整備や、中小企業支援、治水対策など、住民に必要な公共事業を調整することになっているが、この骨子では次の6項目の「会議で協議すべき事項」でも、まったく触れていない。
7項目での事務委託によって市の権限が府に移譲されて、大阪市が関与できなくなる。7項目は、「市→府」への事務委託という、この条例の「ねらい」の具体的な部分になる。
市から府への事務の委託の対象は、かなり絞った形になっている。しかしここにも注意が必要だ。水道や消防は地方自治法の事務委託制度を見ても都道府県でその事務をおこなっていないものは事務委託できないと考えられている。水道、消防は、そもそも事務委託できないのだ。「都構想」の宣伝で「消防の到着時間の短縮」をメリットとして挙げ、現場から否定されたが、二重にでたらめだ。健康と保険も対象外となっている。だが松井は「バーチャル都構想」と言ってコロナ対策を府に丸投げしている。教育も対象外だが、すでに12月に市も府も条例を可決し、22年4月には市立高校が府に移管される。
残ったのは「住民の反対を押し切ってでもごり押ししたい開発」、万博、カジノ、高速道路の開発などになる。特に、都市再生特別地区の指定は、住居地域など「用途地域」に関わらず、開発の規制をとっぱらうもの。これらを大阪市議会の動向にかかわらず、維新が思い通りにできる府の決定だけで進めることができるようにするものだ。
たとえば大阪市がおこなう都市計画、通常の道路、大型公園、公営住宅などの整備、水道、消防などは、市内エリアに関するもので、これらは府全体に影響が及ぶという意味での「広域行政」では決してない。しかし、大阪市民は自らの都市計画に参画できなくなる。
松井は市長でありながら、1月22日の副首都推進本部会議後の会見で、「大阪市民は大阪府民。大阪市議会の権限など市民にとってはどうでもいい」と発言している。「広域一元化」条例は、大阪市における自治権をはく奪する、自治略奪条例だ。条例では、一元化された事業の実施主体はあくまでも府であり、委託という手法で、大阪市が持つ自治の根幹である権限のみならず財源も奪い取っていくところは、住民投票で2度も否決された「都構想」そのものだ。
計画実行事務は委託することになっていない。大阪市は府の決定に黙って金を出し実施する実行部隊に成り下がる。
3月府議会は2月25日に開会し、3月28日閉会する。府議会は維新が単独過半数のため、議会での勝負は市議会が焦点になる。現状では3月26日の市議会最終日に「広域行政一元化条例」を採択するとみられている。街頭行動や署名、議会工作など、住民投票をたたかった市民とともに行動し、議決を阻止しよう。(つづく)

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と き:2月25日(木) 午前11時~午後1時
午前11時~11時50分 街宣行動>
正午~午後0時半 市役所包囲ヒューマンチェーン
午後0時半~1時 集会
ところ:大阪市役所前
主催:大阪カジノに反対する団体懇談会
連絡先:カジノ問題を考える大阪ネットワーク

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