大阪市を廃止し、四つの特別区に再編する大阪都構想の是非を問う住民投票が12日に告示される。投開票は11月1日。賛成多数になれば、1956年にできた政令指定市が初めて廃止されることになる。地方自治のあり方に大きな一石を投じることになりそうだ。

 有権者は日本国籍をもつ市内に住む18歳以上の約225万人。都構想をめぐる住民投票は、2015年5月に続いて2度目。前回は反対70万5585票、賛成69万4844票の僅差(きんさ)で否決された。

 都構想をめぐっては、大阪維新の会などの賛成派が「市と大阪府による二重行政を解消して大阪の成長を実現させる」と訴える。それに対して自民党などの反対派は「権限を府に移すのは地方自治に逆行。住民サービスが低下する」と反発している。

 期日前投票は13日から始まる。通常の選挙で期日前投票所は計28カ所だが、1~8日間に限定した臨時投票所を4カ所増やす。新型コロナウイルス感染防止策として混雑を緩和するためだ。投票時間も、利用者が増える最後の6日間(26~31日)は1時間延長して午後9時までとする。(笹川翔平)

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 大阪都構想に関する大阪市主催のオンライン説明会(全3回)が10日、終わった。ユーチューブでライブ配信された説明会には松井一郎市長と吉村洋文大阪府知事がそろって出席。都構想は市と府による二重行政の解消や住民サービスの拡充のために必要だと改めて訴えた。

 市は、会場で開いた全8回の住民説明会を含め、これで全ての説明会を終えた。吉村知事は10日、記者団に「住民投票で可決を得られるように最後の最後まで説明を尽くす」と強調。松井市長は「賛否は五分五分。厳しい状況だと思っている」と述べた。

 一方、都構想に反対する市民団体のメンバーら700人が10日午前、大阪市中心部でデモ行進を行った。車上から「都構想が実現すれば大阪市の財源や権限が府に移り、住民サービスが悪化する」などと訴え、住民投票で反対に投じることを呼びかけた。参加者は「大阪市廃止に反対!!」と書かれたプラカードを掲げて北区から浪速区まで約4キロを歩いた。(久保田侑暉、堀之内健史)