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2020年7月 9日 (木)

資本主義の終わりか、人間の終焉か? 7・4斎藤幸平講演会 コモンを軸に、エコ社会主義へ 

資本主義の終わりか、人間の終焉か?

コモンを軸に、エコ社会主義へ 斎藤幸平講演会

 

 Img_1118 7月4日尼崎市内で「資本主義の終わりか、人間の終焉か?」と題する斎藤幸平講演会が開かれた。斎藤幸平さんは昨年『未来への大分岐~資本主義の終わりか、人類の終焉か?』(集英社新書)を上梓した大阪市大准教授。尼崎・阪神間の社会運動家や議員たちが「市民運動にも哲学が必要」とこの講演会を企画した。コロナ禍で広い会場にスペースをとって150人が集まり、50人がネット中継で参加。司会は弘川よしえ弁護士で、開会あいさつは丸尾牧兵庫県議。斎藤幸平さんの80分あまりの講演と40分の質疑応答は、むつかしい話ながら爽やかな語り口と、的確な応答で多くの人が納得。アンケートも50枚も寄せられた。閉会挨拶で北上哲仁兵庫県議が「キイワードのコモン」の意義をまとめ、終了。瀬初期も30部近く売れ、久々の硬派講演会を成功裏の追えることができた。資本主義の終焉から社会主義に向かう新たな思想的出発点となったこの集会を起点に、尼崎・阪神間で左派・リベラルの運動を大きくしていこう。以下は講演要旨を紹介する。。

 

  • 『未来への大分岐』

 昨年『未来への大分岐』を出版した。その後気候変動の問題や、今回のコロナ・パンデミック、サンダース現象など、この本に係わることが多く起きている。
 1990年にソ連が崩壊した。日本でも左翼・社会運動に若い人の関心が薄れたが、アメリカの若い世代にサンダースと社会主義を支持する人が膨大にいる。新自由主義グローバリズムの時代は、若者たちを使いつぶす形で貧富の格差が広がった。資本主義は良かったのかということだ。 

気候変動でも、オーストラリアの大火災、日本でも台風や豪雨が毎年襲う。この中でコロナが発生した。世界中の森林を伐採し生態系を壊してきた。自然と共存し持続可能な社会を作るのか、自然を破壊し人類も滅ぶのか大分岐が迫っている。気候変動・自然破壊は一回壊すと元に戻れない。変えられとしたら今で、だから大分岐の時代だ。

新自由主義はフリードマンが提唱し、1970年代のオイルショックの時、危機の解決策として新自由主義が浸透した。今新自由主義の危機に、思想家・政治家、左派・リベラルが何を提起するのか。コロナ禍では机上の論議だったベーシック・インカムが、10万円給付で現実問題となった。買い物は全部通販で商店街はつぶれる社会でいいのか。新しい社会を作るイマジネーションが必要だ。

 

  • サンダース支持と社会主義

アメリカの30歳代・20歳代の若者は社会主義を求めている。彼らの世代は、大学ローンや卒業しても仕事がなく、医療保険もないなど、資本主義社会に生きて良かったことはない。だから社会主義で、若者の多数がサンダースに投票し、イギリスではコービンが人気だ。BLM(黒人の命は大切だ)運動、香港の雨傘運動、ツイッターデモなどの若者の運動からどう学ぶかだ。彼らの運動にはリーダーが判らない。資本主義をのりこえ、社会主義をめざすが、技術で生産力を上げるソ連型社会主義や、北欧型福祉国家でもない。資本主義の先にある持続可能なエコ社会主義、エコソーシャリズムだ。

 

  • 地球環境の破壊と新自由主義からの決別 

シベリアの気温が38度になるなど気候変動が地球を壊している。二酸化炭素の排出量を半分にしないと2100年までに4度上がる。海面が上昇し億単位の難民が発生する。

グレタ・トゥーンベリさんの怒りは「無限の経済成長というおとぎ話を信じるのをやめよう」「現在にシステムの中に解決策が見つからないなら、システムそのものを変えよう」ということだ。資本主義という大量生産・大量消費の経済システムを変えない限り、これからの社会は成り立たない。無限の経済成長を求めたために、人類これまでが使用した化石燃料の半分をこの30年で使用し、この30年間を無駄にしてきた。

 資本主義の矛盾は階級格差だ。学者は警鐘を鳴らしてきたが政治家は無視した。新自由主義は、民営化、規制緩和、市場の自由化で、100円ショップ・ユニクロなど不必要だが買ってしまい、他方で産業の空洞化が進んできた。そうではなく必要なものを自分たちで作る。

市民電力は自分たちで発電し、利益は株主でなく地域の人々に還流する。コモンとは水や保育・教育・医療なども含む。水は国有でもなく私的所有でもなく地方自治体が管理する。今ではインターネットも公共材に作り変える。誰かリーダーがいてではなく、できるだけ水平で開かれた形に繋げていく。

 

  • 政治主義の危険

フリードマンやMMT派のグリーン・ニュー・ディール(GND)は一見ラディカルに見えるが「今まで通りの生活」ということだ。資本主義をそのままにして、プリウスの代わりにテスラ(電気自動車)は消費主義で、資本の論理と対立しない。反緊縮だけでは簡単に経済成長路線に取り込まれる。経済成長が決別した社会システムの構築が必要だ。これまでの生活を反省し、新しい生活様式にむけ、想像力を働かせる。政策立案や選挙に勝てても根本的に変わらない。外国や自然から資源を掠奪する採取主義は植民地主義の継続だ。

単なる経済成長ではなく、再生可能エネルギーを基礎にした新しい社会のビジョンが必要だ。その運動の中からコモン・コミュニズムが生まれてくる。経済の目的を抜本的に変え、既存のシステムの矛盾を根底的に変革していく必要がある。

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