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2020年4月16日 (木)

沖縄辺野古、不要な工事は直ちにやめろ

清水建設が決めた現場500カ所ストップの重み 新型コロナで転機を迎える「ゼネコンバブル」

清水建設が請け負った港区の現場。隣接する他社の現場で建設作業が進む中で、閑散としていた(記者撮影)© 東洋経済オンライン 清水建設が請け負った港区の現場。隣接する他社の現場で建設作業が進む中で、閑散としていた(記者撮影)

 東京都港区の建設現場。ここでは都内でも有数の再開発が進行中で、複数のゼネコンが超高層ビルの受注を請け負っている。4月14日に訪れると、他社の現場では作業員が動き回り、ショベルカーが土を掘り返す中、清水建設の現場だけが閑散としていた。「資材の搬入などもあり、現場は急に止められないが、数日後には完全閉所になるのではないか」(ゼネコン関係者)。

 ゼネコン大手の一角である清水建設は4月13日、都内のある同一現場で従業員3人が新型コロナウイルスに感染し、うち50代の男性1人が亡くなったと発表した。死亡した男性は4月3日に発熱があり、PCR検査後も体調不良のため自宅待機をしていたが、その後、容態が急変したという。新型コロナウイルスの感染が判明したのは亡くなった後のことだった。

原則として全現場の閉所を進める

 これを受けて、清水建設は、自社社員や協力会社の安全確保や感染拡大防止のため、政府が発令した緊急事態宣言の対象地域に含まれる約500の現場について、その宣言が終了する(現状は5月6日まで)まで閉所する方針を打ち出した。

 清水建設は新型コロナウイルスの拡大防止策を講じるとともに、発注元と協議し支社長の判断で現場の閉所を決めていた。今回はそれを転換し、原則として全現場の閉所を進める方針に切り替えた。ただ、清水建設は「当社の一存だけで現場は止められない。発注者の理解を得られ、認められた現場を閉めていく。(工事中断に伴う金銭の)補償については個別に最大限協議する」としている。

 当初は「建設現場は屋外など換気が良いところが大半。新型コロナウイルスの影響はない」(大手ゼネコン)と豪語し、各社は現場での作業を続けていた。だが、4月7日の緊急事態宣言発令を受けて、一部では方針転換が始まっている。

 準大手の西松建設が4月8日、中堅の東急建設が4月9日にそれぞれ建設現場閉所の方針を公表。「施工中の現場については、発注者と協議の上、工事中止・現場閉所することを基本方針とした」(西松建設)、「対象地域では原則工事を中断する方針だが、発注者とも協議のうえ状況に応じて柔軟に対応する」(東急建設)としている。

 西松や東急を含め、ゼネコン各社では本社や現場での新型コロナウイルスの感染者が相次いでおり、現場の中断などについては、「感染拡大の防止と従業員や協力会社の安全確保が目的」というのが大方の説明だ。

 一方、「清水建設の今回の決定は重みが違う」と準大手ゼネコンの幹部は指摘する。「西松や東急は発注者に対して閉所の協議をするが、清水建設は自社で現場の閉所を判断し、それを発注者に伝達するというのが実際の内容だ。補償も自社で行うということだろう。従業員が亡くなったので、踏み切らざるを得なかったのではないか」(準大手ゼネコン幹部)

 大林組では2つの現場でコロナウイルスの感染者が発生。同社は4月15日の夜に「緊急事態宣言の対象地域では5月6日までの施工中断を前提に4月20日から発注者との協議に入る」と発表し、4月25日から5月10日までは一斉休業するとした。

 協力会社でも、設備工事のダイダンや新菱冷熱工業は早々に原則閉所の方針を打ち出している。こうした動きもあり、「現場の職人からも『工事はどうするんだ?』と不安の声が広がっている」と中堅ゼネコンの担当者は打ち明ける。

大半のゼネコンは工事を継続

 今のところ、こうした閉所の方針を公表している会社は少数派で、大成建設や鹿島を筆頭に大半のゼネコンは工事を続けている。いずれも新型コロナの感染拡大への対策を行うものの、発注者から中断の方針を示さない限り、工事は続行する方針だ。「1件、数十億~数百億円という請負代金をもらっている以上、われわれの都合や判断で現場を止めることはあり得ない。納期厳守は絶対だ」(中堅ゼネコン関係者)。

 さまざな業界で自粛ムードが広がる中、仮囲いの中で動き続ける重機や作業員、交通誘導員の姿は目立っている。「発注者である国土交通省や不動産デベロッパーが『当面の工事を自粛する』と強く言ってくれないと、どうにもならない。清水建設の件を機に、世論が(建設業界にも)自粛を求めるようになって、発注者側が動き出さないと工事は止まらないだろう」(前出の準大手幹部)。

 東京都は2020年度発注予定の公共工事について、総量や金額は変えないものの、医療関係など優先順位が高いものを除き、入札などを当面自粛する方針を打ち出した。国交省も業者側が工事の一時中止意向を示した場合は対応をするとしている。ただ、「国交省自身が全面自粛とは言っていない。責任放棄だ」(準大手幹部)と批判する。

 ここ数年、東日本大震災の復興需要や2020年の東京五輪、都心部での再開発需要に沸き、平成バブルを超える過去最高の好決算を謳歌したゼネコン各社。 短期的には「現場の閉所が長引けば業績への影響は避けられない」(清水建設)というは当然ながら、主要顧客のデベロッパーや製造業の投資意欲が消えれば、中長期のマイナス影響も広がってくる。コロナウイルスはゼネコンバブルの転機をもたらそうとしている。

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