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2020年4月14日 (火)

「星野源の政治利用」で大失敗 安倍首相~「アベノマスク」に続いた「アベノコラボ」

文春オンライン

「星野源の政治利用」で大失敗 安倍首相ツイッターが理解していなかった「大切なこと」

安倍首相のツイッターが「緊急事態」を起こした。

《安倍晋三首相が12日、ツイッターを更新し、星野源(39)が歌う「うちで踊ろう」とともに、自宅ソファで愛犬のミニチュアダックスフントのロイを抱く姿や、カップ片手にくつろぐ様子を公開した。》(日刊スポーツ4月13日)

安倍晋三首相 ©︎ロイター/AFLO© 文春オンライン 安倍晋三首相 ©︎ロイター/AFLO

小池都知事の「HIKAKIN共演」

 この一面見出しは「国難なのに優雅なツイート 安倍首相は貴族か!!」。日刊スポーツがまたしても日刊ゲンダイ化! 2月29日の一面「安倍政権、ふざけるな!!」に続て

 スポーツニッポンは「アベノコラボ マスクに続き大失敗」。こちらも厳しい。

《ネット戦略を巡っては、10日に小池百合子都知事が人気ユーチューバーのHIKAKIN(30)の動画に出演し好意的な評価を獲得。そのすぐ後に“アベノコラボ”が公開されただけに「まねしたんだろうけど全てが裏目」とあきれる声も出ていた。》(スポーツニッポン4月13日)

 ああ、首相と小池都知事の「暗闘」がここにもあったのか。うっかりしみじみした。

 別の可能性から注目したいのはオヤジとインスタグラム、そのタイムラグである。

 星野源があの動画をインスタに投稿したのは4月3日。すぐに話題となったが新聞を眺めていると、

「コロナに負けるな!SNSの輪 星野源の歌が大セッションに」という記事は朝日新聞デジタルでは4月11日。そして首相の投稿は4月12日。約1週間のあいだがある。インスタの話題が「おっさんに届くタイムラグ」が可視化された絶妙な案件とも言えまいか。

官邸SNS戦略を追っていれば、当然の流れ

 しかし《「星野源を政治利用するのはやめて」などの批判の声が上がっている。》(毎日新聞WEB4月12日)という点に私は注目したい。これまでの首相官邸のSNS戦略を追っていれば当然の流れであることがわかるからだ。

 今回の批判は「安倍首相は貴族か!!」という見出しでもわかるように《「ステイホーム」を訴えるのが狙いとみられるが、世の中の混乱をよそに優雅にくつろぐ姿にネットは騒然。》(日刊スポーツ)という点が大きいだろう。

 たとえば「自民党と若者」という論点について昨年の記事を振り返ると、

「若者狙う、首相のSNS術」(朝日新聞2019年7月3日)

《安倍晋三首相が、芸能人とSNSでの「共演」を重ねている。自身のツイッターや首相官邸のインスタグラムに記念写真を積極的にアップ。「イメージ重視」の発信で、参院選の公示を4日に控えて若年層へのアプローチを意識しているのは明らかだ。》

 という記事や、

「60秒動画 若者に『刺さる』 広報戦略 主戦場はネット」(読売新聞「自民党研究」2019年12月17日)

 などがある。これらを読むと官邸の好感度重視がわかる。

 それはそれで結構だが、国会で「答えない」、公文書や議事録もできるだけ「残さない」が日常になり、ネットではふわっとした好感度の発信となるとどんな事態が生まれるか。

 政治に対する若者の無関心が高ければ高いほど、何をやっても政権側にはお得ということになる。

菅氏は35万超の「いいね!」を強調

 実際に菅官房長官は13日にこう答えている。

「菅長官『若者へ有効』 首相と星野源さんの“コラボ動画”」(産経ニュース4月13日)

 ここでの「有効」とはもちろん「最近、20代を中心に若者の感染者が増加しており、若者に外出を控えてもらいたい旨を訴えるのにSNS(会員制交流サイト)での発信は極めて有効だ」(13日会見)もあるだろう。しかし今までの若者向けのふわっとした好感度戦略を考えれば、この「有効」には別の意味も浮かんでこないか。

 菅氏は「35万を超える『いいね!』をいただくなど大きな反響がある」と強調。批判との相殺どころかプラスだったと考えているのだろう。したたかな戦略であるが、しかし今回はあからさますぎた。先述したスポニチには「側近センスなし…首相判断力に党内から疑問も」と書かれている。

「アベノマスク」に続いた「アベノコラボ」

《実はこの“アベノコラボ”、不評を買った布製マスクを全世帯に配布する“アベノマスク”に続き、子飼いの内閣官房の面々が発案したもの。首相が言われるがまま行動していることに自民党内からは「総理の判断力は本当に大丈夫なのか?」と心配する声が上がっている。》(スポニチ・同)

 ふつうにその“手口”が見えてきてしまった感。平時は見えなかったものが、緊急事態だから見えてしまった。見えないウイルスのせいで見えてきた。

 政権はネットをかなり気にしている。これは政策に疑問なら声をあげれば効果があるともいえる。

 たとえば、

「30万円支給 基準一律 単身『月収10万以下』」(読売新聞4月11日)

 あの30万円支給政策は疑問の声が多くなったことで支給対象の基準が見直された。

「休業補償 風俗業も支援検討」(朝日新聞4月7日)では、菅官房長官が「見直しを検討したい」と述べた。まさに《ネット上などで「職業差別だ」と批判が出ていた。》(朝日・同)からだ。

無理解のうえにいきなりの政治利用

 コロナを前に「政府は一生懸命頑張っているのだから分断をおこすな」という論調もあるが、それは間違いである。

 こんな時期だからこそ権力者が何をやるのかチェックするのは当然だろう。力を持った人たちがおかしなことをやらないためでもある。それぞれが何か言えることは大切だ。

 だから、あの首相動画のおかしさについても声をあげるのは当然だ。

「誰か、この動画に楽器の伴奏やコーラスやダンスを重ねてくれないかな?」と呼びかけ、ムーブメントを始めた星野源の意図を考えると、

《この動画は音楽を愛し、表現を行う目的での二次利用を許諾するものだったということです。》

 という音楽家の指摘もある(「 安倍総理の星野源さんコラボは何が問題だったのか / 音楽家からの視点と分析 」KX)。

「仕事を失った音楽家に対して、自分の名前を使って有名になるチャンスを与えた」という意味もあるのだと。

 最低限、ムーブメントの趣旨と作品に敬意を払うべきだったのではないだろうか。そこを無理解のうえにいきなりの政治利用。

 いろいろ緊急事態です。

(プチ鹿島)

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