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2020年1月 7日 (火)

反韓ヘイトの粉砕と、日韓共同の安倍打倒闘争へ~『未来』286号より

焦点
『反日種族主義』の思想実証主義による嫌韓ヘイト
請戸耕市

李栄薫(元ソウル大教授)編著『反日種族主義―日韓危機の根源』という書籍が日韓でヒットしている。韓国で7月に発売以来、各種ランキングで1位を記録、日本でも11月に発売し、アマゾンなどで1位となっている。 韓国の研究者らによる本だが、内容は嫌韓ヘイト本である。

徴用工はロマン!?

主な主張は以下― 〈徴用工は強制連行ではなく、志願ないし動員された労働者。日本人と同じ待遇を受けていた〉〈朝鮮人青年にとって日本はロマンであった〉
〈日本軍「慰安婦」は公娼制度。高賃金を受け取っており、性奴隷ではなかった〉
〈朝鮮半島から日本への米の搬出は、収奪ではなく、輸出〉
〈日本による土地調査事業は、収奪ではなく、所有権の確定作業〉
〈日本の植民地支配は、域内経済を開放・統合し、資本移動を促進、経済成長に貢献した〉
〈徴用工裁判の大法院判決は、基本的事実関係が事実ではなく、嘘の判決だ〉
要するに、日本の侵略戦争と植民地支配の歴史を肯定的に評価し、戦争責任・植民地支配責任は一切問う必要なし、という主張だ。
そして、日本の植民地支配責任を問う韓国民衆の声にたいしては、〈嘘をつく国民、嘘つきの学問〉と自虐的に罵る。

フェイク

共著の6人は、ソウル大などで経済史を専攻し博士の肩書きなどを持つ。また、実証主義(事実とデータに基づいて論証する)を標榜している。
しかし、その手法は、膨大な公開資料や研究成果に踏まえず、論争的には既に決着している知見を無視し、都合よく取捨選択した資料に依拠して、歴史をねつ造するやり方。学術的な装いを取っており、手は込んでいるが、百田尚樹や産経新聞と同類のフェイク。

種族主義?

「種族主義」という言葉は著者の造語。「民族主義」ではなく「種族主義」。「種族tribe」には、近代的西洋的な意味での民族と異なり、未開で固陋という蔑視観が込められている。つまり〈何の知性もなく、集団心理で嘘を広め、「反日」を騒いでいる〉という意味で「反日種族主義」と規定している。
「韓国の知識人が韓国民衆を蔑む」―これが本書の特徴である。
本書は、韓国での出版前から日本語版の出版が計画されていた。韓国・李承晩学堂(親米反共独裁の李承晩大統領の思想を称揚する機関)で行われたオンライン講義がもとになっている。この講義の映像には製作当初から日本語字幕が付けられていた。
そして、日本語版の版元が文芸春秋社、産経新聞編集委員の久保田るり子(安倍政権擁護、韓国叩きのプロパー)や拉致問題の「救う会」会長・西岡力が編集協力するなど、嫌韓ヘイトの安倍応援団と連携して出版されている。

「文明と野蛮の対決」

それにしても、何で韓国の研究者が?そして、なんでいまこんな本が?編著者である李栄薫の日本記者クラブでの来日講演(11月21日)がその疑問に答えている。〔傍線は引用者〕
「韓国はその歴史に原因がある重い病を患っています。個人、自由、競争、開放という先進的な文明要素を抑圧し、駆逐しようとする集団的、閉鎖的、共同体主義が病気の原因です。一言で言えば、文明と野蛮の対決です」「この国の自由民主主義体制は解体されるかもしれません。本『反日種族主義』は、そのような危機感から書かれました」

近代化論

「個人、自由、競争、開放」が「先進的な文明」であり、これに反対するのは「野蛮」であるという。典型的な近代化論、植民地近代化論というイデオロギー。
〈近代的個人、国民国家、産業と資本〉が成立し、社会が合理的に構成されて行くのが社会発展=近代化の方向であると信じ、それこそが「文明」であると全面肯定する考え方。
だから、帝国主義も、植民地支配、侵略戦争、資本攻勢も、「野蛮」を駆逐する「文明」の闘争として肯定される。そして、そこで流される血は、「文明」のための闘争という価値基準からすれば、些末なこととして切り捨てられる。

愚民観

このイデオロギーのポイントは、〈民衆は「愚昧」である〉という見方にある。〈愚昧な民衆には「先進的な文明」は理解できない。だから抵抗するが、そういう愚民には、「文明」化のための矯正・調教が必要である〉というのだ。
しかし、同時に、そういう見方の深層には、民衆の抵抗運動の中に「文明」を超える力が孕まれていることを直感した恐怖と敵意の心理がある。
このようなイデオロギーは新しくない。例えば、明治日本の支配層・知識人は、近代化論と民衆蔑視・敵視を基本としており、その下で天皇制支配、侵略戦争と植民地支配を正当化し、破壊と破局に突き進んだ。
今日、韓国の親日派と日本の支配層が、またぞろ近代化論と民衆蔑視・敵視で意気投合しているというわけだ。

文明の虚構

しかし、残念ながら彼らの信じる「文明」こそが虚構であり終焉であることを、「文明」世界のチャンピオン米国の現実とトランプという人格を通して、世界に知らしめている。
そして、韓国の民衆運動の中から、虚構の「文明」を突き破り、自主的な意志と力で、新しい社会と国際関係を構想する動きが始まっている。それがロウソク革命とその継続としての積弊清算のうねりである。まさに「この国の自由民主主義体制は解体される」のである。そのことへの恐怖と反動こそ、『反日種族主義』に他ならない。

戦争責任の再審を

戦後日本は、その再出発点において、戦争責任・植民地支配責任という重大問題を不問に付した。そのことによって、明治以来の天皇制と朝鮮侵略という日本の「国体」の問題を、本質的なところで、戦後体制に継続させてきた。また、そのことが、戦後の社会と運動の問題性・限界性(とりわけ主体性に関わる問題)を規定してきたと言える。そして、そういう諸問題の行き着いた先が、現在の安倍政治である。
換言すれば、ロウソク革命、徴用工裁判の大法院判決、日韓対立の激化、韓国における反安倍闘争という現下の展開は、戦後の再出発点において不問に付した問題を、国際階級闘争場裏に引きずり出し再審にかける絶好のチャンスである。
極右の側は、『反日種族主義』発刊を「歴史戦の武器」などと雀躍しているが、むしろ『反日種族主義』批判の言論戦をもテコに、日韓の反安倍闘争がようやく本格的に連携し、戦後日本の社会と運動の問題性・限界性を突破していくのである。

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