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2019年10月19日 (土)

野党共闘、兵庫と高知の違い なぜ高知では共産党員が県知事選候補になるのに、兵庫では参議院選統一候補で否定されたのか

 昨日、11月24日投開票の高知県知事選で、野党統一候補として35才の共産党県常任委員の松本けんじ氏が選ばれ立候補表明したことを報道した。松本候補は7月参議院選・高知=徳島選挙区でも野党共闘候補として善戦し(高知県では自公候補にあと一歩まで迫る)、4か月後同じ構図で闘われる知事選の候補となったわけだ。
 ひるがえって7月参議院選の兵庫選挙区の候補者統一問題では市民団体=みなせん(全国的には市民連合にあたる)が野党共闘の唯一の候補者に立憲民主党の新人女性を決めた。その理由は、兵庫は3議席を争う選挙区だが、野党が取れる議席は1議席しかない小選挙区と考えるべきで、より勝利できる可能性のある候補に統一すべきであった。これにたいし共産党は「複数区は野党は競合」(3人の所に1人では改憲攻撃に最初から負けている、とも言った)で、立候補反対は「市民団体の政党への介入」だとした。県下の他の野党(社民、新社、緑)はみなせんの方針を支持し選挙闘争を闘った(国民民主は自主投票)。結果は立憲候補43万、共産党候補17万と、3年前の参議院選以上に立憲(民進)・共産の票は開き、共産党方針の誤りが大衆的に証明された。

 高知と兵庫、なぜ共産党籍を持つ候補者に、他の野党の対応の違いがこれほどまでに出てくるのだろうか。
 それは単純な話、野党共闘の推進には政策の合意と本気の共闘が必要で、そのためには日常的な共闘の積み上げが相互の信頼形成に不可欠であるというごく当たり前のことである。選挙が近づいて、急に共産党の看板を下ろし無所属を名乗り、他の野党が統一候補として応援しようと、それは「選挙目当て、票欲しさ」と選挙民は見抜いてしまう(4月大阪12区の補欠選挙で、共産現職を無所属野党共闘としたが、最下位4位で惨敗。これが維新を勢いづけた)。そうではなくて日頃から、憲法闘争だけでなく、沖縄・原発、生活防衛、さらには首長選、県議選(1~3人区)などの共闘などが積み上げられておれば、話し合い(時にバーター交渉も)もスムーズにいき全体として安倍打倒、政権交代に繋がっていく。

 高知では、じつは2017年の総選挙で2区の広田候補(無所属)を全野党が応援し、共産党は父親が自民党県連幹事長だったこの候補を自党候補のように扱い、自公候補の山本有二(元金融担当相)を落選に追い込んだ。ここ数年のこの実績だけでなく、高知の共産党は、保守的な地域ながら、1957年の勤評闘争を闘ったリーダー・山原健次郎を、他政党・無党派市民の支持も得て衆議院議員に10期にわたり当選させた。小選挙区制になっても、不破委員長などは比例区に回ったのに、山原は非共産党の支持も得て当選。中谷元(元防衛庁長官)は山原の選挙区1区(高知市)から2区(県東部)に回り、山本は「祖母の故郷」などと言って3区(県西部)に回った。その後共産党の力は一定後退するが、地方独特の柔軟性も持ち、野党共闘では自党の候補を降ろして野党議員の誕生のため全力投球した。もちろん共産党のセクト主義への批判は高知でも強い。党中央本部の事を、他党や共産党嫌いの人は「代々木」と隠語でよぶがが、兵庫では県委員会を悪く言う時は「新開地」、高知でもその所在地にあわせて「すべり山」というほどどこにでもある。
 そのすべり山(県委員会)の常任委員で、他県生れの35歳の新人が、埼玉・岩手の勝利に次ぐ全国的焦点の高知県知事選の候補に、市民連合と立憲・国民・社民・新社会の野党は野党統一候補として選んだ。3年前の参議院選で野党共闘は敗北ながら、その1年後の衆議院選では2区は野党共闘を堅持し(1区は、立憲と共産が立ち共倒れ)大差をつけて山本に勝利した。この裏では小沢の懐刀=平野貞夫(土佐清水市出身)も動いた。実は共産党不破哲三元委員長の父親も土佐清水市出身で二人は懇意である。土佐清水市も含む幡多地区は共産党が今も強く、そこの地区委員長を務めていたO氏の先祖は明治の自由民権運動に繋がり、また叔父は元自民党の郵政大臣でもあった。これらの繋がりも含め、野党共闘は形成されているのだ。
 
 土佐の自由民権運動を母斑に持ち、ある種独裁政権である安倍政権の支持率は全国で一番低く、2人の衆議院議員は昨年の自民党総裁選で反安倍色を鮮明にした中谷(谷垣グループ)と山本(石破派)である。多重に入り込んだ政治人脈の中でのリーダーシップ性(昨今はあまり無く、松本氏のリーダー性は筆者はじかには知らないが、吉良よし子参議院議員(東京)の父親は共産党県議と次世代に繋げている)と、憲法・原発(伊方原発)闘争での共闘、反自公候補への献身的な選挙活動。それらの実績が、今回の共産党県常任委員を県知事選野党統一候補に選んだ源泉ではないかと思う。
 安倍政治7年により地方は切り捨てられ、過疎化と貧困化は極限まで進んでいる。県下一の進学校から東大法学部に進み、県の発展への与望をになって中央官僚から若くして知事に転身した尾崎は全国最貧県を変えることはできず、自己の栄達のため次期衆議院選に出よとしている。後継の浜田も同じく東大・霞が関官僚である。このような政治に望みが託せないことを県民は知っている。
 しかし対抗馬は野党共闘とはいえ、貧困であるが故の排他性の強い地での他県出身の共産党員。この2つのハンデをのりこえるには、共産党自身の「本気の変革」が問われていると思う。また他の野党、労働組合、市民団体は、各種の行きがかりをのりこえ、言うべきことは言い、「だれひとり取り残さない県政」を本気で実現するために全力奮闘することである。当ブログも微力ながら、高知の知人に声をかけ、勝利のエールを送りたい。

 最後にこのように共闘の実績を積み、他党も行きがかりを棚上げしてアベ政治の終焉のために奮闘しようとする県委員会がある一方で、県知事選、神戸市長選、西宮・尼崎市長選の党の大幹部を押し立てていずれも惨敗し他野党との溝をさらに深め、その上最下位でも7月参議院選挙は勝利だったと空虚な総括をする県委員会(兵庫)がある。10・19全国革新懇集会(神戸文化ホール2000人規模、志位委員長出席)の成功のためのオルグの先で「参議院選挙で大阪・兵庫でバーターしたら自民2議席を落とし、共産・立憲の議席が取れたのに」という質問に答えられず退散する日本共産党兵庫県委員会とは何者だろう。「志位委員長が総括を出すはず、その話を聞いて今後を考える」などと自己の頭で総括しない共産党員とは何者だろう。当ブロガーが本日の集会に参加するなら、「参議院選では大阪・兵庫など複数区では党の方針=野党競合で議席が取れなかった。大阪のかけがえのない議席を落としたことは中央の責任ではないのか。今後は、複数区においても野党共闘を強める。共産党は他政党から信頼される実績をつくり、野党共闘を強め政権交代を実現する、ということを明言してほしい」と質問するだろう。
 人生を共産党にかけてきた兵庫県下の人々に問いたい。あなたは7月参議院選(兵庫)の方針を今でも正しいと思いますか? それとも「複数区においても野党共闘は必要」という、政権交代に必要なごく当たり前の方針(時には共産党が譲り、時には他野党が譲る)を党の方針にするため、県委員会・中央委員会に人生をかけてかけあってみる気はありませんか、と。



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