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2019年8月29日 (木)

老朽原発は即時廃炉へ 原発のない社会の実現を 若狭の原発を考える会・木原壯林~『未来』276号

寄稿
老朽原発は即時廃炉へ
原発のない社会の実現を
若狭の原発を考える会・木原壯林

関電本店前で発言する木原壯林さん(5月19日)

原発は、事故の多さ、事故被害の深刻さ、使用済み燃料の処理や保管の困難さなど、あらゆる視点から、人類の手に負える装置ではない。また、重大事故を起こせば、農地を奪い、海を奪い、職場を奪い、故郷を奪い、人の命と尊厳を奪い去る装置であることを、福島原発事故が大きな犠牲の上に教えている。一方、福島事故以降の経験によって、原発は無くても何の支障もないことが実証された。そのため、今、脱原発、反原発は圧倒的な民意となっている。
それでも政府と電力会社は、この民意を蹂躙して、原発の再稼働を強行し、老朽原発の運転まで画策している。

規制委審査の無責任

原発の再稼働を進める電力会社は、傲慢で、トラブル続きの企業である。原発再稼働時にも、復水器冷却細管破損(2015年、川内原発1号機)、1次冷却系・脱塩塔周辺での水漏れ(16年、高浜4号機)、1次冷却水系ポンプで水漏れ(16年、伊方3号機)、脱気装置からの蒸気漏れ(18年、玄海3号機)、事故時に原子炉に冷却水を供給するポンプの油漏れ(18年、高浜4号機)、温度計差込部から噴出した放射性物質を含む蒸気の原子炉上蓋からの放出(18年高浜4号機)などトラブルを頻発させている。 原発再稼働時のトラブル多発は、原発の安全維持の困難さを示唆し、運転開始後40年に満たない原発でさえ、配管の腐食や減肉、部品の摩耗などが深刻であることを示している。また、傲慢で安全性を軽視することに慣れ切った電力会社に原発を運転する能力がないことを実証している。さらに、原子力規制委員会(規制委)が適合とした原発の多くが再稼働前後にトラブルを起こした事実は、原発の再稼働にお墨付きを与えた「新規制基準」が極めていい加減な基準であり、規制委の審査が無責任極まりないことを物語っている。 ところで、トラブルは電力会社に限ったものではなく、大企業や大組織のトラブル、データ改ざん、不正検査などは、枚挙のいとまがない。金儲けのみに突っ走る、日本資本主義の倫理や技術は崩壊し、地に落ちていることを物語っている。岸、佐藤、中曽根、小泉、安倍らが続けた人間性無視の政策、すなわち、極端な合理化、派遣労働、非正規雇用の助長、過剰な科学技術依存、後先考えぬ教育破壊、労働組合破壊、農業破壊、社会構造破壊の付けが回ってきたのである。このような社会構造の下で、原発を安全に運転できるはずがない。

老朽化で重大事故の確率急増

原発は事故の確率が高い装置であるが、老朽化すると、重大事故の確率が急増する。例えば、次のような理由による。
① 高温、高圧、高放射線(とくに中性子)に長年さらされた圧力容器、配管等では、脆化、金属疲労、腐食が進んでいる。中でも、交換することが出来ない圧力容器の老朽化は深刻。電気配線の老朽化も問題。
② 建設時には適当とされたが、現在の基準では不適当と考えられる部分が多数あるが、全てが見直され、改善されているとは言えない。例えば、地震の大きさを過小評価していた時代に作られた構造物、配管の中で交換不可能なもの(圧力容器など)。
③ 老朽化が進むと、建設当時を知っている技術者は殆どいなくなり、非常時、事故時の対応に困難を生じる。また、建設当時の記録(図面など)が散逸している可能性があり、原発の安全管理の支障となる。

大資本に奉仕戦争できる国づくり

関電は、来年以降、45年超えにもなろうとする老朽原発・高浜1、2号機と美浜3号機を再稼働させようとしている。原発の40年超え運転延長は「例外中の例外」としていた政府はこの約束も平気で反故にしようとしている。それは、全ての既存原発の運転を60年まで延長し、2030年に原発電力を全電力の20~22%にしようとする安倍政権のエネルギー基本計画に迎合するためである。関電はその露払いをしようとしている。 エネルギー基本計画は、①使用済み核燃料、核廃棄物の保管費や事故による損失を度外視すれば、安上がりな原発電力によって、電力会社や大企業を儲けさせ、②原発関連事業で原発産業に暴利を与え、③核兵器の原料プルトニウムを生産するための計画である。注意しなければならないのは、この基本計画では、原発の他に、再生可能エネルギーを22~24%にし、二酸化炭素(CO2)排出量の多い石炭火力まで26%にしようとしていることである。これは、④戦争になり、天然ガスや石油の輸入が途絶えたときの基盤電力を国内で調達できる電源である原発、再生可能エネルギー、石炭火力で確保するためである。すなわち老朽原発の再稼働は「巨大資本に奉仕する国造り、戦争できる国造り」の一環として行われている。許してはならない。

科学とは縁遠い審査

老朽高浜原発1、2号機運転延長認可の発表にあたって、当時の規制委員長は、「科学的に安全上問題ないかを判断するのが我々の使命だ」と述べている。しかし、科学とは、実際に起こった事実を冷静に受け入れ、丁寧に調査し、検証・考察して、その上に多くの議論を重ねて、結論を導くものである。規制委の審査は、この過程を無視しており、科学とは縁遠い。
実際に起こった最も重大な事実は福島原発事故であるが、福島原発に関して、事故炉内部の詳細は今でも分からず、事故の原因究明が終わったとするには程遠い状態にある。「科学」を標榜するなら、福島事故の原因を徹底的に解明して、その結果を参照して、原発の安全性を議論・考察するのが当然である。
しかも、老朽高浜原発の再稼働審査は、無責任かつ杜撰であった。それを高浜1、2号機審査を例に紹介する。
① 関電が、新規制基準への適合審査を申請したのは15年3月であるが、16年4月に設置許可、6月に工事計画認可、運転延長認可と、他の原発の審査に比べて、異例の短期で審査を終えている。審査会合も27回と通常審査の約半分であった。認可取得期限が16年7月7日に設定されていたために、審査を早めて、この期限に間に合わせたのである。規制委には、特に慎重であるべき老朽原発審査に対する誠意はない。
② 審査の手抜きも目立つ。例えば、この審査では、ケーブル、コンクリート、目視可能な鉄筋など、簡単に点検や補修できる箇所については審査しても、点検が困難な冷却細管、点検・交換が不可能な圧力容器については、十分審査しているとは言えない。また、通常なら審査段階で行う耐震安全性の詳細評価を審査後で可とし、実証試験を使用前検査時に先延ばしにした。

使用済み核燃料の処分法はない

原発を運転し続けると、核燃料中に運転に不都合な核分裂生成物(中性子を吸収する希ガスや希土類など)が蓄積し、制御棒などによる核分裂反応の制御が困難になる。さらに、核燃料被覆材は、腐食などによって損傷する。したがって、核燃料を一定期間燃焼させると、燃焼可能なウランは十分残っていても、新燃料と交換せざるを得なくなる。そのため、使用済み核燃料がたまる。
使用済み核燃料は、交換直後には高放射線、高発熱量であるから、原発外に移動させることはできず、原子炉に直結した燃料プールで5年以上保管・冷却される(MOX燃料では、さらに長期の水冷保管が必要)。
水冷期間が過ぎて、放射線量、発熱量が低下した使用済み核燃料は、乾式貯蔵容器(キャスク)に保管することになっている。このキャスクの取りあえずの保管場所が中間保管地である。
国の核燃料サイクル計画では、中間保管地の使用済み核燃料は、核燃料再処理工場に移送して、高濃度・高温の硝酸で溶解した後、化学的分離法によってウラン、プルトニウムを取り出し、混合酸化物(MOX)燃料として再利用し、ウラン、プルトニウム以外の放射性物質はガラス状固化体の高レベル放射性廃棄物とした後、地層中に処分することになっていたが、再処理工場の建設はトラブル続きで、2兆2千億円をつぎ込んだにもかかわらず、完成の目途は立っていない。そのため、使用済み核燃料の多くは、各原発の燃料プールに溜めおかれている。ただし、各原発の燃料プールは、貯蔵容量の70%以上がすでに埋まっていて、原発が順次再稼働した場合、数年後には満杯に。
なお、燃料プールは、上部が解放されたプールで、閉じ込め効果はなく、極めて脆弱で、メルトダウンする危険性が高く、「むき出しの原子炉」とも言われる。したがって、一刻も早く空にしなければならないが、使用済み核燃料を乾式貯蔵に移して、空いた燃料プールに新しく発生した使用済み核燃料を入れて、原発を継続運転しようとする企みがある。燃料プールの危険性は、発熱量や放射線量が大きい新使用済み燃料を入れれば、さらに高まる。燃料プールを空にするためにも、使用済み燃料を増やす原発を廃止しなければならない。また、核燃料再処理工場は、1300キロメートルもの配管を持つ、きわめて危険な化学工場で、重大事故が起これば、原発事故とは比較にならない多量の放射性物質を放出する。再処理工場の運転を許してはならない。
上述のように、老朽化が進む原発の危険度は急増している。しかも、原発運転によって増加し続ける使用済み核燃料の行き場もなく、核燃料サイクルは完全に破綻している。老朽原発の即時廃炉を突破口に、原発のない社会を実現しよう!

11月、200キロのリレーデモ
高浜原発から関電本店まで

「原発うごかすな実行委員会@関西・福井」は、10月1日から11月22日を「老朽原発うごかすな! キャンペーン」期間とし、①各地で集会、学習会、デモなど、多様な催しを繰り広げ、②若狭全域での大規模なチラシ配布と宣伝行動(通称、拡大アメーバデモ)を繰り返して行ない、③若狭、関西一円に街宣車を出して、老朽原発運転反対を訴え、また、④名古屋地裁での老朽原発裁判と連携した行動を行います。一方、11月23日に高浜原発を出発し、琵琶湖西岸を通って12月8日に関電本店に到達するコースを本流とするリレーデモを計画しています。この本流の他、名古屋市、姫路市あるいは奈良市を出発し、各地を経由して、大阪での大集会に合流するコースなど5つの支流も企画中です。多数の皆様のご賛同、ご参加、ご支援をお願いします。

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