高速道を逆走している安倍政権~中村敦夫が警鐘乱打
5月に元号が変わるが、戦前、戦後の昭和、平成、そして、新元号を迎える時代の流れを冷徹に見つめてきたのが、この人だろう。「あっしには関わりないことで」という木枯し紋次郎のイメージが強烈だが、俳優、小説家、国会議員、劇作家と、変幻自在の表現者として、社会にメッセージを送り続けている。そんな中村敦夫氏が鳴らす「時代への警鐘」――。
――戦争のときは4、5歳ですね。どんな記憶がありますか?
多分、僕なんかが戦争の記憶がある最後の世代だと思います。もちろん、戦場に行ったわけじゃないけれど、空襲の記憶はある。当時、読売新聞に勤めていた父の実家がある郡山(福島県)に疎開していたんだけど、あそこには、飛行場があってね。狙われたんでしょう。空襲警報が鳴り、B29が飛んでくる。大きな防空壕に近所の人と飛び込んでね。毎日、そういう訳の分からない危機感がありましたね。
■平成の次は大混乱の恐ろしい時代へ
――5月に改元がありますね。中村さんは戦前の昭和、戦後の昭和。そして、平成、その次と生きてこられた。激動の時代ですよね。どのように時代を総括されていますか? 国家観、憲法観、それぞれの時代で随分変わってきたんでしょうね。
昭和は侵略戦争、太平洋戦争、敗戦、経済復興、バブル経済と激動でしたね。戦争という犠牲を払ったけど、先進国に追い付いていく時代。ところが、昭和の終わりくらいから、それまでの経済成長の在り方、資本主義の行方が怪しくなってくる。オーソドックスなモノづくりから金融経済にシフトしていく。その結果、平成になると、世界を操る権力構造が随分、変わってきましたね。それまでの発展途上国がぐんぐん伸びてきたパターンと違って、資本はグローバルになり、金融中心になると、国籍そのものが重要さを持たなくなる。多国籍化したものに権力がシフトしていく。
――しかし、いまは、その金融の覇者、米国が一国主義を唱えている。
そう。私は平成の後半の特徴は、金融中心のグローバルな資本主義も崩壊し、世界中が混乱していく過程に入ったな、と思ってます。いま、それぞれの国でおかしな現象が起きているでしょう。ナショナリズムが台頭し、反グローバリズムのようなことを言う勢力が強くなってきている。矛盾ですよね。資本主義を肯定しているのであれば、グローバリズムに行き着くしかないのに、何を言っているのか。それじゃあ、昔のような資本主義に戻れるのかというと、もう戻れませんよ。私は得度してますが、諸行無常という言葉がある。仏教の一番大切な教えです。物事は絶えず変化していて、同じところにとどまらない。そういう見方をするといろんなことが分かってきます。
■高速道を逆走している安倍政権
――「これは絶対」なんてないのに、資本主義は成長拡大するものだという前提でもがいていますね。日本は成長戦略とか言って、原発輸出にシャカリキだったが、失敗した。
高速道を逆走している安倍政権
安倍政権は経済成長を神のように崇めているが、内容がないんですよね。いろんなことをブチ上げていますが、どれも不成立でしょ。金融政策で株が上がっただけで、いつ崩れるか分からない。バクチ経済です。実体経済で売り物がないから原発でも輸出するかということになる。とんでもない話ですよ。自分の国で始末に負えないものを他国に押し付けるなんて、商道徳に反するわけです。しかもことごとく失敗、破談じゃないですか。残るのは大阪万博にからめたカジノ構想ですか? おいおい、経済成長ってオイチョカブと同じかよって。そういう貧しい発想でしか経済を捉えていないんですね。いま、人類はどういう時代に突き進んでいるのか、という認識が決定的に欠落していて、高速道を逆走しているような時代錯誤を感じます。
■経済至上主義を止めなければ破滅の道
――中村さんは、かつて「簡素なる国」という本をお書きになりましたね。そこで「少欲知足」という仏教的価値観を提唱されていますが、まさしく、こうした考え方に真正面から向き合う時代になったんじゃないですか?
~続きは「日刊ゲンダイ」へ
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