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2016年8月31日 (水)

共謀罪の国会提出に反対する日弁連会長声明が出されました

いわゆる共謀罪法案の国会への提出に反対する会長声明

 今般、政府は、2003年から2005年にかけて3回に渡り国会に提出し、当連合会や野党の強い反対で廃案となった共謀罪創設規定を含む法案について、「共謀罪」を「テロ等組織犯罪準備罪」と名称を改めて取りまとめ、今臨時国会に提出することを検討している旨報じられている。

 政府が新たに提出する予定とされる法案(以下「提出予定新法案」という。)は、国連越境組織犯罪防止条約(以下「条約」という。)締結のための国内法整備として立案されたものであるが、その中では、「組織犯罪集団に係る実行準備行為を伴う犯罪遂行の計画罪」を新設し、その略称を「テロ等組織犯罪準備罪」とした。また、2003年の政府原案において、適用対象を単に「団体」としていたものを「組織的犯罪集団」とし、また、その定義について、「目的が4年以上の懲役・禁錮の罪を実行することにある団体」とした。さらに、犯罪の「遂行を2人以上で計画した者」を処罰することとし、その処罰に当たっては、計画をした誰かが、「犯罪の実行のための資金又は物品の取得その他の準備行為が行われたとき」という要件を付した。

 しかし、「計画」とはやはり「犯罪の合意」にほかならず、共謀を処罰するという法案の法的性質は何ら変わっていない。また、「組織的犯罪集団」を明確に定義することは困難であり、「準備行為」についても、例えばATМからの預金引き出しなど、予備罪・準備罪における予備・準備行為より前の段階の危険性の乏しい行為を幅広く含み得るものであり、その適用範囲が十分に限定されたと見ることはできない。さらに、共謀罪の対象犯罪については、2007年にまとめられた自由民主党の小委員会案では、対象犯罪を約140から約200にまで絞り込んでいたが、提出予定新法案では、政府原案と同様に600以上の犯罪を対象に「テロ等組織犯罪準備罪」を作ることとしている。

他方で、民主党が2006年に提案し、一度は与党も了解した修正案では、犯罪の予備行為を要件としただけではなく、対象犯罪の越境性(国境を越えて実行される性格)を要件としていたところ、提出予定新法案は、越境性を要件としていない。

 2016年(平成28年)8月31日

             日本弁護士連合会
           会長 中本 和洋

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