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2016年7月26日 (火)

参院選は何を示したか--安倍政治との闘いの展望

主張
参院選は何を示したか
安倍政治との闘いの展望

参議院選総括  少し時間がたつが、『未来』(革共同再建協=関西派)の総括を紹介する

  7月10日投開票がおこなわれた第24回参議院選挙によって、自民党、公明党、おおさか維新の会、日本のこころを大切にする党の改憲4党の議席が161議席となった。これに無所属で改憲に積極的な姿勢を示している井上義行(比例区)、松沢成文(神奈川選挙区)、渡辺美知太郎(比例区)などを加えれば、憲法改正発議に必要な3分の2議席(162議席)を上回る。
  戦後、改憲勢力が衆参両院で3分の2以上を占めるのは初めてのことであり、今回の参院選はきわめてきびしい結果に終わったと言わなければならない。自民党は比例区で2011万票を獲得し、「小泉旋風」が吹き荒れた01年以来となる2千万票超えとなった。
しかしこれをもって、単純に安倍政権への支持が高まったと言うことはできない。確かに自民党の比例区の絶対得票率(全有権者に占める割合)は、前回(13年)の18%から19%へと1ポイント上昇しているが、改選議席の占有率は、前回の54%から46%へと8ポイントも低下している。それは野党共闘と自民党との一騎打ちがいかに激しいたたかいであったのかを物語っている。

東北の「反乱」

民進党、共産党、社民党、生活の党と山本太郎となかまたちの野党4党は、改憲勢力3分の2を阻止するために32の1人区すべてで野党統一候補を押し立ててたたかった。結果11の選挙区で野党共闘は勝利をかちとった。前回(13年)選挙の1人区では自民党が29勝2敗と圧勝していたことや、今回自民党と激戦になるのは12選挙区と予想されていたことなどを考えると、野党共闘の成果は十分に発揮されたといっていい。
  とくに沖縄と福島で現職閣僚を落選させたことは重要な意義を持っている。与党が選挙の争点化から逃げ回っていた新基地建設問題と原発事故問題で、住民は明確に安倍政権を否認したのである。
  また今回の注目すべきは、北海道・東北の選挙結果である。北海道では3議席中、2議席が民進で、自民が獲得したのは1議席のみだった。東北では青森、岩手、宮城、山形、福島の5つの選挙区で野党共闘が勝利。自民は辛うじて秋田で1議席を確保したのにとどまった。なかでも自民の牙城といわれていた青森の「陥落」は衝撃的な事態である。

「地殻変動」

  これ以外に大激戦となったのが新潟選挙区である。安倍は選挙期間中、3度も新潟入りして現職の自民候補を応援した。与党の異例ともいえる力の入れようにもかかわらず、わずか2279票差で接戦を制したのは、市民グループと野党共闘が推した森裕子氏だった。
この選挙戦について新潟日報のインタビューに答えた越智敏夫新潟国際情報大教授は、「自民党の選挙とは思えない負け方が印象的だった」と語り、「(自民党の)地方組織の変質が起きているのではないか」と指摘している。
   東日本大震災の甚大な被害を受けた各県では、安倍政権の被災地切り捨て政策への怒りが渦巻いていることがはっきりと示された。さらにTPP(環太平洋戦略的経済連携協定)による農産物自由化によって農業(酪農)を軸とした地域の経済・社会が破壊されることにたいする強い危機感が噴出した。
   自民党は参院選のスローガンに「この道を。力強く、前へ。」を掲げたが、北海道や東北は、それをきっぱりと拒否したのである。沖縄では「保守対革新」という従来の枠組みから「オール沖縄 対 安倍政権」へとその政治構図が大きく変動した。これと同様の政治的な地殻変動が進行していると見てよい。
  また同日おこなわれた鹿児島県知事選挙で、候補の一本化によって、川内原発の停止を掲げた三反園訓氏が現職を8万票以上の大差で破って当選したことも特筆すべきであろう。

限界を超えた怒り

  安倍は選挙後、早くも憲法審査会を動かして、改憲に向けて踏みだすことを公言している。「緊急事態条項」が焦点となるのはまちがいないだろう。
さらに重大なのは現在、自衛隊をPKO派兵している南スーダンで大統領派と副大統領派の内戦が激化していることである。首都ジュバなどで激しい戦闘がおこなわれ、多くの死者が出ているにもかかわらず、政府は「武力紛争ではない」とうそぶいて、自衛隊派兵を継続している。白を黒と言いくるめて、なし崩しで自衛隊の武力行使に踏み込もうとしているのは明らかだ。
   内政においても問題は山積している。安倍政権は、選挙過程では封印してきた社会保障の大幅な縮小に着手しようとしている。TPP交渉によって、医療保険や医薬品などで米系資本に都合のよいルールが導入されることになれば、日本の医療制度と国民健康保険制度が崩壊に向かいかねない。
  また労働にかんする規制緩和も重大問題である。安倍政権は労働基準法を改悪して、「残業代ゼロ」を導入しようとしている。過労死地獄に拍車をかける最悪の施策である。
まさに安倍のかかげる「この道」の行き着く先は、そこに生きる人びとが耐えることができない生活を強制される社会であることはまちがいない。
   6月19日におこなわれた沖縄県民大会で「怒りは限界を超えた」というスローガンが掲げられたのはまさにそのことをさしている。参院選では北海道や東北でも住民の我慢が限界に達していることが示された。「もうこれ以上安倍の好き勝手にはさせない」という人びとの思いを政治的に結集する枠組みが生みだされたのである。

これからの課題

   もちろん、野党共闘の「改憲3分の2阻止」という最大の目標が達成できなかったことはきびしく総括しなければならない。とくに関西の2府4県においては、京都で民進党が1議席を確保したが、残る11議席は改憲政党に奪われた。大阪や兵庫では現状に不満を持つ人びとの支持がおおさか維新に流れた。単純に共闘で票を足し算すれば勝てるというものではないことが突き付けられた。安倍政権の「この道」に代わる社会をどのようにして作っていくのかということが問われている。
   こうした点を踏まえた上で、昨年の戦争法反対闘争をたたかった市民運動が、野党共闘を成立させたことは決定的な意義があった。その全国的な枠組みが成立したことによって、安保、憲法、原発、TPP、社会保障、農業問題などさまざまな課題に取り組んできた人びとが合流し、政治的な内容が豊富化された。既成政党と市民・住民が共同して新たな政治を作り出す取り組みが始まった。自民党は野党共闘を「野合」と批判したが、的外れである。選挙戦の主役は政党ではなく、市民・住民たちと、その運動である。(汐崎恭介)

 

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