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2014年3月20日 (木)

教育を首長・教育長の支配することの危険~泉佐野『ゲン』回収事件

 本日の新聞に、泉佐野の千代松市長が、『はだしのゲン』を小中学校図書室から回収したという記事があった。理由は「差別的表現が多い」ということで、この市長の意をうけて教育長が「図書室から校長室に移して子どもの目に触れないようにしてほしい」と」口頭で要請したらしい。その上で千代松市長は「漫画を読んだ子への個別指導が必要」とも述べたらしい。 
 何ともお粗末で、『アンネの日記』を破るのと同じくらい、この国の今日の文化水準の低さを世界に知らしめる出来事ではないか。
 まず第一に、本当に図書における「差別表現」が問題なら、『ゲン』に限らず子どもに親しまれている多くの図書をとりあげ、そこにおけるどの表現がどう問題なのか、どう克服していかなければならないかを、子どもたちも交えて討論すればよい。しかし今回は特定の本を、市長という権力者の思いで恣意的に取り上げて、教育長の手を使い回収するという、行政行為として行われたことが問題なのだ。千代松市長がこれまで真剣に「人権教育に力を入れてきた」というなImg013ら、決してこのような方法にはならず、彼のいう「人権教育」そのものもあらためて問われるだろう。
 その上で最大の問題は、教育を首長・教育長が支配することの危険性である。首長選出は教育などより経済や福祉などを争点に選ばれることが多く(あまり政治的争点にならない)、また教育にはどのような政治体制の国であろうと政治的中立性が求められるのは、近代民主主義国家の出発点でもある。このようなごく当然のあり方を否定し、選挙で選ばれたのだから白紙委任だとして、首長の独特の「教育観」を教育行政に押し付けることを正当化したのが橋下大阪市長であり、今の安倍政権の「教育再生」攻撃である。千代松市長というのは、大筋で橋下亜流と考えてよいと思うのだが、橋下人気が失速し、維新支持率1%という時代に、昨年の松江での『ゲン』問題への市民の怒りの声を見ず、また昨今はヘイトスピーチなどにきびしい見方がやっと広まりかけているときに、またまた時計の針を逆回りさせるなど、およそ人権感覚の欠落した「裸の王様」というほかはない。泉佐野市にも心ある市民は多いはずで、かかる市長は泉佐野の恥として、立ち上がることを望みたい。

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