10・6さようなら原発集会1200名で大盛況
小出裕章さんの話に聞き入り再稼働阻止を決意
第三回さようなら原発!1000人集会は、伊丹ホール1200の座席が満杯になり、3時間弱の集中した集会として大成功した。集会は14時開会1時間前から参加者がならび開場の13時半には500人、14時開会時には、1階が満杯。2階も半分が埋まった。
開会は司会の一之瀬さん、開会あいさつの難波さんのあと、
特別ゲストとして昨年都合で来られなかった山本太郎参議院議員。山本さんは秋の国会開会前に、最大の焦点になっている秘密保全法の廃案を求め全国キャラバンを展開中。この間は関西各地を回っており、この日も大阪での行動の途中参加。機密保全法が、知る権利を奪い国家が秘密保全のもとに情報操作し、嫌疑のある人間を次々に逮捕できる法であることを暴露。廃案あるのみ、そのために議員になったのだと訴え、大きな拍手がわいた。
つづいてメイン講演の小出裕章京大原子炉実験所助教は、大型スクリーンを使いながらわかりやすく講演。小出さんは、まずこの間の汚染水問題を「福島原発事故 今。進行中」「事故は収束していない」「炉心がどこにあるかわからずひたすら水を注入し続けた結果、汚染水があふれている」と、原理的次元から説明。強濃度の汚染水のある地下トレンチの構造を解説し、地下水、タンクも含めて汚染水の流れを示し、冷却のための水を注ぎ続ける以上汚染水漏れは止まらないことを訴えた。
そして小出さんは、2011年3月の時点でセシウム137がどのように飛散し、どこまで汚染されたかを地図を使い解説した。そして国土の1割に当たる福島だけでなく関東平野の山脈南東側のかなりの部分が汚染された。そのため1年間1ミリシーベルトという法廷基準値が、政府の手により反故にされた、これでも法治国家かと弾劾した。そして放射線の子どもに及ぼす影響を改めて解説
ののち大人の責任を提起した。最後に原子力発電がなくても電気は十分足りていて、「他者の犠牲を前提にする原子力と原子力的なもの」を批判し、原発輸出や「世界一の原子力」をうそぶく安倍政権を、第二次大戦末期の軍部になぞらえ弾劾した。あわせて今を生きる私たちの責任にも言及し、圧倒的拍手のなかで講演を終えた。
10分間の休憩をはさんで、後半は福島県いわき市出身の講談師神田香織さん。神田さんは核の恐ろしさを、自身の講談『はだしのゲン』を随所に引用しながら展開した。原発についてもチェルノブイリ事故直後、福島の父親との、人間の手に負えるものではないとの会話を披瀝。そしてこの間の政権の対応を弾劾するとともに、はだしのゲンのようにたくましく、粘り強く、生きて生きて生き抜く子になろう、とユーモアと発声練習をまじえて締めくくった。
最後は6人の市民のアピール。福島から兵庫に避難してきたお母さんは、当初の家庭的な困難をのりこえ頑張っていると報告。福島の子どもたちの保養キャンプに取り組む2団体の若者・学生は放射能との息の長い闘いとしてキャンプを続ける。さらに自治体防災や市民発電のとりくみや、東北から避難してきて関電相手の裁判をとりくむ仲間のあと、関西大弾圧の当該から、裁判勝利と再稼働阻止を一体で闘うとの訴え。閉会あいさつは谷さんから、地域での日常的な取り組みの中から原発ゼロを勝ち取ろうと訴えられた。
集会終了後、会場ロビーでは小出さんや神田さんの著作の販売や、各団体のグッズの販売、署名コーナー、チラシコーナーに人が群がった。各所にこの集会を受けて、再稼働阻止のため具体的行動を始めようとする人々の熱気があふれた。著作もどんどん売れ、また二人を囲む交流会場には、すでに先着の人を含め50人以上があふれ、小出さんへの質問、神田さんの次の企画などに花が咲いた。
大江健三郎さんらが呼びかけた1000万人署名運動を契機に始まった大団体を構成団体としない市民の手作りの集会だが、すでに3回目を迎え、1100人、800人、1200人が参加し、決して関心が薄れているのではなく、市民の力で具体的な課題をとりくみ、原発ゼロとなるまで続ける持続的運動へ発展しつつあることを感じさせる、熱い集会であった。
(写真は上段左から1階は完全に満員、山本太郎さん、下段左からごったがえすロビー、2階最上段から)
最近のコメント