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2012年3月30日 (金)

稲村尼崎市長の、朝日新聞でのウソ八百を弾劾する

 朝日新聞3月28日づけの政治時評2012に、稲村尼崎市長が全面に登場し、知らない人なら本当かと思うウソ八百をならべている。たいがいの人は、稲村市長の橋下大阪市長評価に驚いているようだが、これはすでに2009年の時点で批判済みなので、今回はあまり触れない。
 
 ただ橋下のやっていることは、労組敵視、教育破壊にとどまらず、業務命令での「アンケート」と称する思想調査は、憲法に保障された良心の自由、思想信条の自由の破壊(基本的人権の侵害)で、労組法違反でもあり、労働委員会から異例の中止勧告が出たほどだ。また「大交の選挙支援リスト」を騒ぎまくったが、捏造が発覚した。民主党のかの偽メール事件以上だが、橋下の下では誰も責任を取らないし、マスコミも追及しない。
 教員が「君が代」を歌わないと「ルール違反」で懲戒処分というが、自分は法律家でありながら憲法や労組法を遵守をしない(ちなみに稲村さんも法学部出身ですから、労組法や労働委員会制度程度は知っていると思うのですが)。 このような事実を前にしても、橋下を賞賛し、また小泉構造改革を賛美する。ようするに、事実を事実として評価するのではなく、どちらの側に立ってものを言っているかではないのか。それは99%の労働者・市民の側ではなく、米倉経団連会長ら1%の側である、このことを押さえておきたい。

 さて後半では、「地方からの成功体験の積み上げ」と称して、知らない人には本当かと思われるウソ八百をついている。「市長は市民の声を直接聞いて、政策に生かす」~開いた口がふさがらないとはこのことである。労働福祉会館の問題に1年半係わり、あらゆる会合に出てきたが、市長は一度も市民の前に出てこなかった。2011年4万6000筆、2012年1万2000筆の市民・利用者の声に一度でも向きあったのか。何度も何度も行われた「市民説明会」のどの会場でも、ただの一人も廃止賛成の声が出なかったことを、知らないのだろうか。どの口から「市民の声を直接聞く」といえるのか。2枚舌なら、1枚をエンマ様にぬいてもらえばよい。

 「民主主義が進化、深化するには、情報が共有され、整理」されることが必要というが、労館問題では一貫していたのは、「老朽化・財源がないから廃止」であった。だが最後に出てきたのは、(日曜92%の利用率の労館ホールの機能をひきつぐ)ホール機能をもった23億円の新施設の建設だ。財源問題では利用者一人当たり213円の労館を廃止し、1449円かかる施設を残すことが最後に暴露された。これでは、都合の悪い事実はふせ、あとでメルトダウンだったという、原子力行政・東電と同じではないか。どこが「順序だてて合意形成」だ。

 最後に「地方の自治体から政治を変えていこう」「信頼を修復し、成功体験を積み上げ」というが、今回の労館問題のどこにそれがあるというのだ。離島や地方出身者が寄る辺を求めて集う場所、労働者福祉行政の拠点、としての労館。それを一方的に廃止して、市民との間に、「信頼が修復」されたのか。
 労館問題の底にあるのは、橋下市長と同様に「労働者」や「福祉」が嫌い、そのためなら「日の丸」条例を出す保守系会派=新政会とも組んで条令案を通す、ということではないのか。労館廃止条令はそのようにして可決された。「市民自治」などというきれいな言葉を使うのでなく、「市民は4年に1回投票。その間はつべこべ言わず、市長に任せなさい。私が民意。」と言ったほうが、よっぽど首尾一貫しているのではあるまいか。

 最後の最後に、事実の裏もとらずに、たかがこの程度の主張とはいえ都合の良い一方的主張をたれ流す、「朝日新聞」や、「地方からの民主革命に期待する」という東大教授なる人物も情けない限りである。地方の民主革命は、アメリカのオキュパイ運動や、選挙だけに頼らない脱原発運動ですでに始まっているではないか。もし朝日に気骨があるなら、清武の主張も、ナベツネの主張も平等に載せたように、労働福祉会館存続を求める人の主張も載せたらフェアと思うが、どうだろう。
 そんな期待より、このブログのアクセス数が朝日を超えることを期待するのが、民主主義の成熟かも知れない。乞う、アクセスを。(さらに詳しい全面的な稲村市長批判は、4月5日発行の「センターだより」に載せます。こちらも乞う、ご期待)

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コメント

 はいはい、私も見ました。
 稲村さんは朝日新聞が震災後に設立した「ニッポンを前へ委員会」のメンバーで、原発に関しては「新規原発の是非は国民投票で決める覚悟が必要」という意見を朝日新聞(11.05.01.朝刊)に載せてるゎ。驚きやね、「原発の是非」ではないんやで。「今ある原発を動かし続けるのは当然」という立場なんや。橋下さんも「電気が足りなければ関電はその説明をしっかりして、原発を動かせばよい」という立場やから、息もぴったり。(「大阪府市は原発廃止の政策を示しているやないか。嘘のコメントはあかんで。」という橋下支持者の皆さんは、2月28日付朝日新聞朝刊の「原発再稼働は国民的合意を」-橋下市長-の記事を確認していただきたい。)
 「国民投票で」という稲村さんが、原発の是非を問う住民投票をつぶした橋下さんを評価することには驚かんで。何しろ市民の声を無視する「市民派」やからね。
 ところでこの「しみん派」市長さん、4月にある大阪府下の市長選で、立候補を表明した自称「市民派」を応援するそうや。引退する市長の後援会が利権にありつけ続けるためにこの自称「市民派」に白羽の矢を立てたとの見方がもっぱら。事前ビラにしっかり写真入りで稲村さんの言葉が載ってるけど、「10年来の付き合い」「女性だから」などだけで、政策の支持は一切なし。さすが、「雰囲気だけ市民派」の市長さんらしさがあふれていますぅ。
 もう、怒りもせんしただただあきれるだけやけど、残念なのはまじめな市民や議員さんたちがころっと騙されてしまっていることですゎ。もうちょっと事実をしっかり見てーや。特に議員さんたち。新聞がすべて正しいとは言わんけど、「国民投票で」という稲村さんが、原発の是非を問う住民投票をつぶした橋下さんを評価することに、「おかしい」とすら思わんかったらもうおしまいや。手練手管の首長の追及なんて無理無理。くれぐれも詐欺にひっかからんよーに気ーつけてや。

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